物流センターの基礎知識

# 物流センター
# コスト削減
2021-07-19
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物流センターは商品を生産してから保管し、エンドユーザーの元に届くまでの拠点となる重要な役割を果たします。単に在庫を保管するだけでなく、さまざまな機能をもつ物流センターの役割や機能を正しく知ることは、業務の効率化にもつながります。
そこで今回は、物流センターの主な役割と倉庫との違いについてご紹介します。

物流センターの基礎知識

まずここでは、物流センターとはどのようなものなのかについてご紹介します。

物流センターの役割

物流センターの役割は、さまざまな機能を活用して荷主の荷物を預かり、エンドユーザーに対して安定的に商品を届けることです。スムーズな流通はもちろん、企業の営みや一般消費者の生活を支える基盤であるともいえるでしょう。

物流センターの機能

物流センターの機能は、主に「保管」「輸送」「荷役」「包装」「流通加工」の5つに分類されます。

「保管」とは、お客様からの注文を受けて出荷するまで、倉庫に入庫された商品の品質を保ちつつ管理しておく機能のことです。預かる商品にはさまざまな荷姿がありますが、どのような荷姿であっても販売に適した品質で維持し続けなければなりません。
「輸送」は倉庫に保管している商品を注文に基づいてお客様や小売店に配送する機能で、適した配送ルートで商品を運搬し、安全に届けることが求められます。
「荷役」は入出庫や商品の仕分け、ピッキングなどの一連の機能を指します。商品の個数に誤りがないかや初期傷がないかなどを検品したり、注文どおりの商品を倉庫の棚から取り出したりする作業です。

加えて、商品の荷姿に応じて適切な資材を活用し、商品を衝撃から守る「包装」も物流センターの大切な機能のひとつです。「流通加工」はメーカーの商品生産後、倉庫から商品を出荷する前に、複数のパーツを組み立てて1つの商品を完成させるセット組や、パソコンにソフトをインストールする作業などを行う機能になります。

物流センターの種類

物流センターには複数の種類があり、用途によって使い分けられます。
たとえばトラック輸送を行う際の拠点となる「配送センター」や卸売業者の配送拠点となる「デポ」、在庫保管を目的として特定の企業が占有する「ディストリビューション・センター」などがあります。

加えて、在庫保管はしないものの物流業務の拠点となる「トランスファー・センター」や、スーパーマーケット等へ納品するための商品加工を中心とした「プロセス・センター」なども代表的な物流センターです。

場所による物流センターの分類

物流センターは、設置される場所によって「生産立地型倉庫」と「消費立地型倉庫」の2種類に分けられます。

商品が製造される工場などの拠点に近い場合は「生産立地型倉庫」と呼ばれ、工場に近い場所に仕入先が集中しているケースでは、配送コストやリードタイムの削減をはかることができます。
一方で、販売先に近い立地の場合は「消費立地型倉庫」と呼ばれます。受注から配送までの期間が短い場合でも、物流業務に余裕をもって対応しやすくなるというメリットがあります。
どちらの分類を選ぶかは、仕入先や販売先の比重を鑑みながら決定するのが一般的です。

物流センターの次の工程は倉庫

物流センターと倉庫は同じもののように扱われるケースもありますが、実際には大きく意味合いが異なります。

物流センターと倉庫の違い

物流センターと倉庫の違いは、「商品の保管が中心か、物流業務全般が中心か」にあるといえます。
出荷指示があるまで商品を一定期間保管しておくためのスペースを「倉庫」と呼び、出荷の調整や効率的な配送など、保管を含めた商品の入庫から出庫までの一連のプロセスをまとめて担うのが「物流センター」です。

物流業務全般を扱う拠点を「物流センター」、商品の保管を行う施設を「倉庫」とすると覚えておくとわかりやすいでしょう。

物流センターの業務効率化を阻む課題

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物流センターにおいて業務効率化は重要ですが、スムーズな効率化を阻む課題がいくつかあります。ここでは、代表的な課題をご紹介します。

人材が不足している

人材が不足していることから作業量に人手が追い付かず、結果的に長時間労働をこなすなどの対処方法しかとれない状況にある現場は数多くあります。全国的に物流需要が増加している背景もあり、労働力の確保が以前に比べて難しい状況にあることも原因のひとつです。

ロケーションが固定されている

商品を保管するロケーションが固定されており、効率的な管理が難しい状態のまま放置されている現場が多いことも課題といえます。物流業務の効率化には、スムーズに入出庫やピッキングを行えるようなロケーションの最適化が必要不可欠です。

情報が不足している

Excelや紙ベースで在庫情報の管理を進めている場合、担当者は作業終了後に最終的な更新を行うことになるでしょう。その場合、情報のリアルタイム性が失われてしまい、タイムラグが発生して過剰発注や不要な在庫異動が生じる可能性があります。倉庫内の連携がとりにくいことによる情報不足も、業務効率化を阻む課題のひとつといえます。

倉庫ごとのルールが違う

倉庫ごとに運用ルールが異なると社内全体の統一性がとれなくなり、「A倉庫とB倉庫の運用が違うので、倉庫によって作業手順を変えなければならない」といった非効率な状況に陥る可能性があります。全社的に統一されたルールが保たれていないと、作業効率は大幅に低下するでしょう。

適切にデータ管理されていない

注文情報や在庫情報など、各種データの適切な管理がされていないと効率的な物流業務にはつながりにくいでしょう。「倉庫内の在庫がいくつあるか」「どのように管理されているか」が明確になっていないと、スムーズな業務の進行に支障をきたす可能性があります。

物流センターの業務効率化の解決策例

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物流センター業務を効率化するための解決策として、次の3つが挙げられます。システム化や外注をうまく活用して、物流の悩みを解決しましょう。

倉庫管理システムの導入

在庫管理やピッキング導線の算出、ロケーション管理などの倉庫作業の効率化に必要な機能が揃った倉庫管理システムを導入することで、これまで手作業で行っていた倉庫作業を大幅に効率化できるでしょう。
加えてハンディターミナルの併用によって棚卸を機械化することで、ヒューマンエラーの削減も期待できます。

倉庫業務の一部をロボット化

ピッキング場所まで自走し、人間が荷物を積み込めば梱包エリアまで運搬してくれるロボットや、ピッキングの棚を作業担当者の元へ運んできてくれるロボットなど、倉庫作業を効率化するためのロボットは多数存在します。
これらを活用し倉庫の一部をロボット化することで、業務を効率化できるとともに現場作業者の負担軽減にもつながるでしょう。

シェアリング倉庫を活用して、ロケーションの悩みを解決

シェアリング倉庫に物流業務を委託して、自社で物流業務を行わずにメイン業務に注力できる環境を作り出すことも手段のひとつです。商品の保管や配送業務などを行う必要がなくなるため、ロケーションの悩みを一気に解決できるでしょう。

倉庫管理をさらに容易にできるWareX

倉庫管理をさらに簡単にするなら、シェアリング倉庫サービスのWareXがおすすめです。

WareXの特徴

WareXには多くのお客様の助けになる、さまざまな魅力があります。ここでは、WareXの魅力や特徴をご紹介します。

管理設備が不要

シェアリング倉庫に荷物を預けられるため、自社で管理設備を所有する必要がありません。維持・管理費や人件費などのコストの削減につながると同時に、多様な物流業務を併せて委託できます。

使用した分だけ請求

請求は使った分のみで行えるため、初期費用や月額費用などの「使用しなくてもかかる費用」は一切発生しません。登録しておけば必要なときに倉庫を探して使うことができる、負担の少ない使用感が魅力です。

自由なロケーション選定

お預けいただく荷物の種類や用途に応じて、多彩な倉庫の中から自由にロケーションを選定できます。生産拠点に近い倉庫や販売先に近い倉庫など、状況によって柔軟な選択が可能です。

オンラインにて一元管理

預けている荷物の管理は、オンラインでまとめて行うことが可能です。インターネットに接続できる環境があれば荷物の状態をリアルタイムで確認し、いつでも最新の状況を把握できるという安心感があります。

まとめ

物流センターは保管や荷役から配送に至るまで、商品がエンドユーザーに渡るまでの一連のプロセスを担います。しかし作業の効率化をはかるためには人材不足や統一されていない倉庫ルール、アナログな倉庫管理など、多くの課題を解決することが必要です。

物流センターの業務効率化を実現するためには、倉庫管理システムや物流ロボットの導入を通して、倉庫のデジタル化を推進していくことが近道だといえるでしょう。シェアリング倉庫の活用には、今回ご紹介したWareXの導入もぜひご検討ください。