廃棄ロスとは?特に大きな課題の食品ロスの現状-対策をご紹介!

# 食品 × 物流
2021-08-30
Loading...

food-loss_1.jpg
期限切れや売れ残りなどが原因で発生する廃棄ロスが、世界において深刻な問題となっています。中でも食べられる商品を廃棄しなければならない「食品ロス」は特に深刻な課題であり、解決のために日本でもさまざまな取り組みが行われています。
今回は、廃棄ロスの現状や、特に大きな課題となっている食品ロスへの対策をご紹介します。

廃棄ロスとは?

廃棄ロスとは、「賞味期限切れや売れ残り、破損などの理由で商品を廃棄せざるを得なくなり、損失が生じること」を指しています。
売れると思い仕入れたものの販売しきれずに期限を超過したり、顧客が誤って商品を破損させてしまったりすると、廃棄が発生して損失につながります。

食品ロスはその中でも大きな課題となっている

廃棄ロスの中でも、食品ロスは特に大きな課題となっています。
食品ロスが生じる原因はさまざまですが、過剰生産による飲食店における食べ残しや、期限切れを引き起こして販売不可になってしまったものなどが挙げられます。加えて、家庭において不必要な量を買い込んで食べきれずに廃棄してしまったり、食べられる部分まで皮を剥きすぎてしまったりするなどの理由も食品ロスの一因です。

世界における食糧生産は年間40億トンにものぼりますが、そのうち13億トンの食糧は廃棄されており、消費を目的として生産された食料のうち1/3は食べられることがないまま棄てられています。

日本においては年間2,531万トンもの食品を廃棄しており、その中でも廃棄ロスによって棄てられている食品の量は年間600万トンになると推計されています。この量を日本の人口で割り返すと、1年間で1人あたり約47kgもの食料を廃棄していることを意味しており、約47kgという量を1日あたりに換算すると、お茶碗1杯のご飯に相当します。

日本は食料自給率が低く、国内生産による食料自給率はカロリーベースで38%に過ぎません。残りの62%を海外からの輸入に頼っている状況ですが、輸入した食料も廃棄ロスの一部として棄てられてしまっているのが現状です。

このように、大量の食糧を消費目的で生産しているにもかかわらず、多くの食品を廃棄している現状があります。廃棄ロスによって生まれたごみは処理するためのコストを増加させるだけでなく、焼却処分することによってCO2の排出を促進させたり、埋め立てなければならない焼却灰が生じたりするために、環境にも大きな悪影響を及ぼします。

加えて、世界の9人に1人は栄養不足であるともいわれており、子どもに限ると7人に1人が飢餓の問題を抱えているとされています。世界には食料を必要としている人々が数多くいるにもかかわらず、一方では大量の廃棄ロスが生じている現状があります。
各国が必要な分だけを消費して世界に平等に食料を分配することにより、貧困や飢餓に苦しむ人たちに食料が行き渡る仕組みを構築する必要性があるといえます。

食品ロスはなぜ起こるのか?

food-loss_2.jpg
食品ロスが起こる理由は、先進国と発展途上国で異なります。先進国においては過剰生産や大量陳列が、発展途上国にとってはインフラの未整備や技術不足が、食品ロスの大きな原因となっています。

先進国における食品ロスの原因

先進国における食品ロスの原因としては、次の2つのパターンが挙げられます。

過剰生産

本来は不必要な量の食料を生産してしまい、需要よりも供給が上回ることによって食品ロスは発生しやすくなります。
食料の生産には原料の調達や生産のための工場の動力源、商品を倉庫で保管する光熱費や店舗へ配送するためのトラックの燃料など、膨大なエネルギーを使用しています。生産した食料を廃棄することは、生産工程で消費したこれらのエネルギーを無駄にすることにも直結します。

さらに、前述のように廃棄の際には焼却のためのエネルギーや埋め立てに伴う環境への負荷なども懸念されます。過剰生産による食品ロスは、地球に対するあらゆる負荷を強いているともいえます。

大量陳列と幅広い品数

近年のスーパーマーケット等の小売店では、大量陳列や幅広い品数の取り扱いが当たり前になっています。
日本においては「大量陳列して商品が充実しているように見せることによって、売上を向上させやすくなる」という考え方が浸透しており、広い売り場に商品を詰め込むように陳列し、ひとつの品目に関してできるだけ複数種類の商品を取り扱う店舗が多いといえます。

しかし、大量陳列された商品は必ずしも完売するわけではありません。複数種類の商品が扱われていると、1種類ごとの販売数はどうしても少なくなりやすく、期限切れによる食品ロスを引き起こしやすくなります。
特に小売店には「1/3ルール」という商習慣があり、「あらかじめ設定された賞味期限のうち、1/3の期間内に納品し、次の1/3の期間内で販売し、残りの1/3を消費者の保存期限として設ける」という販売方法が一般的となっています。

例えば、4月1日から6ヶ月賞味期限が設けられている商品があったとすると、最初の2ヶ月間の6月1日までに商品を小売店に納品しなければならないため、その期限を過ぎると倉庫に保管されている残りの在庫は廃棄せざるを得なくなってしまいます。この商習慣も、食品ロスに拍車をかけているといえます。

発展途上国における食品ロスの原因

発展途上国においては、次の2つのパターンが食品ロスの大きな原因となっています。

インフラ整備ができていないために食料が腐ってしまう

インフラ整備が不十分であるために、食料が腐ってしまうという問題があります。
生産した食品は倉庫などの流通拠点に運ばれてから保管・加工されるのが一般的ですが、発展途上国においてはコールドチェーンなどの輸送のためのインフラが十分に整っておらず、商品の鮮度を保ったままの配送が難しいケースは多いといえます。

無事に倉庫に食料がたどり着いたとしても、保管技術が十分でないために保存期限が限られてしまったり、保存期限を延ばすための適切な加工技術を持たないために食料を腐らせて廃棄しなければならないケースもあります。
特に温暖な気候の国々においては食料が腐敗するまでの時間が短い傾向にあり、インフラ整備は大きな課題だといえるでしょう。

技術不足で収穫ができない

インフラ整備だけでなく、技術不足によって生産した食料を100%収穫しきれないという根本的な問題もあります。
先進国など農業が進んでいる地域においては、ITを含めた最新技術を用いて収穫を効率化しており、生産した食料のほとんどを収穫できます。しかし発展途上国においては技術が進んでいない地域も多く、人の手に頼るしかないという事情から、せっかく生産した食料をすべて収穫しきれずに腐らせてしまうという課題を抱えています。

前述のように、発展途上国はインフラの未整備によって食料を収穫した後の工程で腐らせてしまうこともよくあります。
「技術不足による食料ロス」の後に、「インフラの未整備による食品ロス」が起こってしまうため、全体の食品ロスはさらに増加するという悪循環が起こっています。

食品ロスを減らすためにできること

food-loss_3.jpg
これまでは企業を中心とした国全体の食品ロスの原因についてご紹介してきましたが、大量の食品ロスを招いている原因は消費者側にもあります。
家庭からも食べ残しや期限切れなどによる廃棄が数多く発生しているため、消費者も食品ロスに対して高い意識を持ち、国や地方自治体、生産・物流関係者と協力しながら解決のための取り組みにかかわっていくことが大切です。

食品ロスの解決というと大変な取り組みのようにも思えますが、消費者が家庭で気軽に取り組めることも数多くあります。
ここでは、食品ロス解決のために消費者が家庭内や買い物の際にできることと、消費者への食料供給に深く関わる生産・物流業者ができることについて解説します。
食品ロスに関する参考記事はこちら

家庭でできること

日本においては国民1人あたり1日お茶碗1杯のご飯を廃棄している、ということをお伝えしてきましたが、この量を金額に換算すると、4人家族の世帯が1年間に約6万円分の食料を棄てていることになります。
無駄を減らすためには、家庭でできることを意識しながら生活していくことが大切です。

直接廃棄への対策

生活の中でできる工夫としては、購入した食材を適切に保存することが挙げられます。
それぞれの食材には適切な保存方法があり、正しく保存すれば食べられなくなるまでの期間を大きく延ばすことも可能です。不適切な方法で保存してすぐに廃棄しなければならなくなるのでは、食品ロスを増長させてしまうため、インターネットなども駆使して食品の効果的な保存方法を学ぶことをおすすめします。正しい方法による保存は、食品をおいしく食べることにもつながります。

ほかには、購入したものの使い道が思いつかないまま腐らせてしまい、廃棄につながるケースも少なくありません。そのような食材は、インターネットなどで紹介されているレシピを参考に使い切る方法がないかどうかを検討してみましょう。

もしおすそ分けやプレゼントなどで食品をもらったものの使い切れないのであれば、フードバンクなどに寄付するのも有効です。最近では日本でもフードバンクを運営している団体があるため、お住まいの地方自治体で対応できる組織がないかどうか調べると良いでしょう。自分がプレゼントする立場なら、相手が消費できるかどうか熟慮することも重要です。

食べ残しへの対策

食べ残しを減らすことも、食品ロスの削減には有効です。
食べられる分だけ料理することによって、食べ残しによる廃棄を最小限に抑えられます。どうしても食べきれずに残した食料はそのまま廃棄するのではなく、保存できる方法がないかどうか検討しましょう。冷凍することによって比較的長く保存し続けられるものも数多くあります。

食べ残し以外にも、料理をして冷蔵庫に保存しておいたものの、放置したまま腐らせてしまうなどの食品ロスも少なくありません。
冷蔵庫の整理整頓を徹底するなど、放置する食品がなくなるように工夫することが大切です。
家庭によっては、子どもの好き嫌いにより食卓に上がった料理が食べ残されてしまうこともよくあります。そのため嫌いなものであっても残さないように親が子どもに指導したり、嫌いなものも食べてもらえるようにメニューを工夫したりするなどの対策も効果的です。

過剰除去への対策

野菜の皮を剥きすぎてしまい、食べられる部分まで廃棄してしまうなども食品ロスの大きな原因のひとつです。
過剰除去は調理技術の不足による問題もあるため、調理を苦手としている場合は練習をしたり、調理器具の補助に頼ったりすると良いでしょう。

ほかには残留農薬などの影響を気にかけるあまり、過剰に皮を取り除くケースも見受けられます。
健康に配慮することは大切ですが、過剰に怖がりすぎるのではなく、農薬のリスクなどを自分なりに調べてから料理に取り組むことも大切です。

買い物の際にできること

買い物の際は、「必要なものを必要な分だけ購入する」ことを徹底しましょう。
買い物に行く前に冷蔵庫の中を確かめて在庫を確認しておくと、既に購入している商品を重複して購入することは避けられます。

よくあるケースとして「買い物の途中で価格の安さにひかれて購入したものの、結局使わずに腐らせてしまい廃棄するしかなかった」などが挙げられます。
安さを優先して大量に購入する前に、「この量を購入して使い切れるか?」を一度立ち止まって考えてみることをおすすめします。

生産・物流関係者ができること

生産・物流関係者ができる取り組みのひとつに、「スマート農業」の実現があります。
スマート農業とは「IT技術やロボットなどを活用して生産性を向上させる新しい農業」のことであり、データを活用して消費者のニーズを的確に把握することで、過剰生産を避け、適正量を供給できます。

農業においては、生産しすぎた商品が市場で価格の下落を起こさないように産地で廃棄されるケースがあります。このような食品ロスを避けるためにも、スマート農業が効果的です。

具体的な食品ロスへ事例のご紹介

現在、国や自治体、事業者が協力して消費者を巻き込みながら食品ロスに対するさまざまな取り組みを行っています。ここでは、食品ロスに対する具体的な取り組み事例をご紹介します。

フードシェアリングサービス

フードシェアリングサービスとは、何か手を打たなければ廃棄を待つだけの商品を、必要とする消費者に届けて食品ロスを削減するためのサービスです。
食品を廃棄しなければならない可能性がある企業と、食品を必要としている消費者の間でマッチングを行い、条件が合致した消費者に対して廃棄寸前の食品を提供します。

マッチングの方法としては、フードシェアリングのためのアプリなどが挙げられます。
企業はフードシェアリング用のアプリにお店の閉店時間や期限切れなどの理由で廃棄の可能性がある料理の情報を掲載し、その情報を閲覧したアプリに登録しているユーザーが購入したい料理を選ぶことによって、マッチングが成立するという仕組みです。

フードシェアリングサービスによる食品は通常の価格よりも安価に設定されていることが多く、お店は食品ロスを減らすことができ、ユーザーは料理を安く購入できるため、双方にメリットのあるサービスです。

廃棄ロス商品を扱うECサイト

近年では、廃棄ロス商品を扱うECサイトも登場しています。
期限切れ間近の商品や、傷があるなどの理由で通常の販売には難があるものの品質には問題がない商品などを安価に販売することで、食品ロスを減らし、ユーザーにとっては安価に商品を購入できるというメリットがあります。

地方自治体がパートナーシップを結んで支援しているECサイトなどもあり、単に企業が運営するECサイトの枠組みを超えて、地域と企業が一体となった取り組みも全国各地に広まっています。

在庫の整理や倉庫の最適化

在庫の整理や倉庫の最適化によって、企業が適正在庫を維持することも食品ロスの削減には重要です。
倉庫にどのくらいの在庫があるのかを把握していなければ過剰生産や過剰発注の原因となるだけでなく、期限切れや廃棄につながる可能性があります。倉庫内の在庫を把握しておくことにより、不必要な生産や発注を行う必要がなくなるため、過剰生産を抑制して食品ロスの削減を期待できます。

加えて、返品をできる限り減らすことも重要です。
食品は販売期限が設けられているため、一度納品した商品が返品されると再び販売することが難しいケースもあります。商品によっては、衛生上の観点から一度人の手に渡ったものを再販売できないこともあるでしょう。
誤配送や初期不良などのトラブルを削減することによって返品を減らし、食品ロスの削減に努めることが大切です。

さらに、需要予測の正確性を向上させることも大切です。
需要予測がずれていると、本来の需要よりも多くの商品を生産してしまい食品ロスに直結します。したがって、適性な需要がどのくらいなのかを見極める技術が重要になります。自社の販売データなども活用して、過剰生産にならない需要予測を整備しましょう。

また、現在の日本では前述の「1/3ルール」などの商習慣もあり、実際の賞味期限よりも販売期限が短くなっているのが実情です。
この商習慣による食品ロスを削減するために、賞味期限を「年月日表示」から「年月表記」に変更したり、包装技術の向上によって賞味期限の延長を図ったりする取り組みも行われています。

倉庫の在庫管理については、新商品が発売した際に保管スペースの都合で旧商品を廃棄しなければならない問題に悩む方も多いでしょう。そんな時は、シェアリング倉庫を活用して外部保存拠点を増やすのもおすすめです。
シェアリング倉庫サービスのWareXなら、まだ販売できる商品を保存スペースの問題で廃棄するのではなく、外部保存拠点に保存し続けることによって、継続的な販売などの道も見出せます。

まとめ

廃棄ロスは世界的に深刻な問題であり、特に食品ロスは大きな課題となっています。日本においても大量の食料を廃棄していることから、国や自治体、消費者一人ひとりが一丸となって食品ロス削減のための取り組みを進めていくことが大切です。

家庭でできる取り組みや生産・物流関係者ができる取り組みなど、食品ロスへの対策は数多くあります。それぞれが自分にできることに向き合い、廃棄を減らすための工夫を重ねていきましょう。


WareX を…

もう少し詳しく知りたい方

無料セミナーはこちら

とりあえず使ってみたい方