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UPS様は、契約期間や契約坪数の関係から倉庫に中途半端な空きスペースが生じてしまうことに悩みを抱えていました。空きスペースを埋めるための営業活動に割り当てられるリソースが不足している状況の中、WareXをコストも手間もかからない販売チャネルのひとつとして活用しています。
今回はUPS様から、WareXをお使いいただいた感想や今後の展望などについてのお声を頂戴しました。
本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、今回WareXをご利用いただいたきっかけや、想定されている利用シーンなどをおうかがいしてもよろしいでしょうか。
UPS様: こちらこそよろしくお願いいたします。
前提としまして、当社が都内に保有する倉庫について、「どの倉庫も中途半端にスペースが空いてしまう」点に強い課題感を持っておりました。
当社はグローバル案件をメインに取引を行っていますが、顧客ニーズの性質上、「契約期間と次の契約期間の合間に中途半端な期間が空いてしまいやすい」という問題があります。
加えてグローバル案件は契約する坪数に融通が利きにくいという特徴があり、当社としては中途半端なスペースを残したくないものの、顧客ニーズを考えると「契約坪数の増加」という交渉が非常に難しい状況にあります。例えば本来スペースを埋めるためには150坪の契約が必要であったとしても、「100坪で結構です」と断定的に要望されてしまうケースが多く、空きスペースが構造的に発生することが常態化しておりました。
これまで空きスペースが生まれた時は、「当社所有の稼働していない重機を置く」といった使い方をしていましたが、社内で「せっかく空いたスペースを何とか収益化したい」という話がありました。
そのタイミングで丁度WareXを知った事もあり、まずは利用してみよう!となりましたね。
ありがとうございます。今おうかがいした内容に鑑みますと、これまでは取引先企業様とはアナログなやり取りもされていたのでしょうか。実際にWareXをご利用いただく前に、運用面で気になっていた点などはありましたか?
UPS様: そうですね、アナログ手続きによる手間もそうですが、今回WareXを使ってみた中で重要視していたのは「チャネル」というキーワードになります。
今までは中途半端な空きスペースを拡販しようとする際、まずは既存のお客様に対して「契約坪数や契約期間を延長しませんか」といった交渉を行うのが一般的な方法でした。
その方法では、元々の基本契約の単価のままスペースを拡張する事になります。「本来は相場に合った金額で契約できる可能性があるのでは?」と直感的に感じた事も多々あった一方で、スポット寄託案件の相場を知る手段が無かったことも悩みのひとつでした。
短期的なスポット利用ニーズがあるお客様を探す術もなく「手間がかかっていた」というよりは、「スポット利用ニーズを持つお客様を探すチャネルを知らなかった」というのが実態でした。
「スポット案件が見つからなければ、スペースが常時空いてしまう状態」だったということですね。
UPS様: はい。空きスペースを埋めるための営業活動も考えましたが、通常業務もありますので、限られた時間での空きスペースの営業はコストパフォーマンスが悪い点がネックでした。
「空きスペースを遊ばせておく家賃が勿体ない」という気持ちはありましたが、それを埋めるための営業への投資もできない状況だったので、結果的に弊社所有の重機や書類を置くといった、「決して有効活用をしている」とは言えない状況でした。
UPS様がWareXの導入を決めた理由は、WareXがシェアリング倉庫紹介を可能としているサービスだった点でした。実際に、具体的な導入の決め手をお聞きしました。
ありがとうございます。今回お使いいただいたWareXはシェアリング倉庫を探すことできるサービスですが、他にも賃貸倉庫のマッチングサービスや倉庫検索サービスは多く存在しているかと思います。UPS様では、他社様のサービスも検討されたことはあるのでしょうか?
UPS様: 他社様のサービスも検討したことがありますが、実際の使用には至らないケースが多かったです。というのも、営業倉庫のスペースを一部のみ切り出して提供するためには倉庫自体の要件変更をしなければなりません。
我々としては、空きスペースの有効活用が最優先事項でしたが、倉庫内で働くスタッフの生産性も上げる事ができれば更に良いと考えておりました。この点で、WareXであれば、「オペレーターの生産性を高めやすいスポット案件をご紹介いただける」という部分も大きいです。
検討されていた他社様サービスでも、スポット案件を探されていたのでしょうか?
UPS様: はい。検討していたツールのひとつである、Eコマースに特化したサービスにはスポット案件も紹介されていました。しかし、同サービスで紹介されているお客様は短期利用というよりはこれから新規事業を立ち上げるスタートアップ企業が多く、商談成立までに時間がかかる印象でした。
WareXの場合、比較的短期で成約につながりそうな具体的な案件が多く感じられ、そこに他のサービスとの違いを感じています。
WareXをお知りになった背景をもう少し詳しくお聞きできますか?
UPS様: はい。当社はアメリカで倉庫マッチングサービスを運営しているのですが、その経験から、「日本にも似たようなサービスはないか?」と思い検索エンジンから調べたところ、WareXを知りました。
その他、検討していたサービスもありましたが、自ら細かい条件を指定して探す工数がかかるものが多く、最終的な利用には至りませんでした。
実際にWareXを導入した感想や、良かった点をお聞きしました。
今回ご紹介した案件は、荷姿が比較的大きい案件だったかと思います。UPS様はパーセル(※小包のこと)をメインに行われていますが、メイン事業とは少し形が異なる今回の案件についてどのような印象をもたれましたか?
UPS様: 実は、その点については我々の長年の悩みでもあります。
当社はパーセル物流のイメージが強いようで、展示会に出展したり、広告を打ち出したとしても、いわゆる3PL(総合的なロジスティクス事業)のイメージをもたれないお客様が多くいらっしゃいます。
お客様からは「UPSはロジスティクスもやっているの?パーセルだけだと思っていた」といった反応をされることが多いです。イメージが先行してしまっていて、我々の方から「UPSはロジスティクスもやっていますよ」とアピールしても届きにくいという課題があります。
そこでWareXを使うことで、お客様が当社に抱いているイメージとは関係なく、パーセルや寄託に関わらずいろいろな案件の情報を仕入れられる点が、とても重宝できるポイントです!
パーセルではなく寄託を扱う今回の案件をご紹介いただけたのは、WareXだからこそだと考えています。
ありがとうございます。今回は東京の倉庫で荷物を保管していただきましたが、倉庫会社様は横の繋がりもあるかと思います。例えば、近隣の倉庫会社様からパーセルではなく寄託の案件を紹介されるといったケースはあるのでしょうか?
UPS様: いいえ、横のつながりから案件をご紹介いただく機会はあまりなかったですね。
そうなんですね。
UPS様: はい。というのも、エリアが近い倉庫同士はお互いの手の内を明かさないという傾向があります。
どこの倉庫会社様もそういった情報をなるべく外部へ出したくないという認識があり、「横のつながりで案件を紹介いただいて料金体系が筒抜けになること」を比較的懸念するケースが多いように感じます。
スポット利用だと余計に相場観がわからなくなる部分もありますが、今回はWareXが間に入っていただくことで、相場をそれほど気にすることなく契約を進められたのが良かったです。
既存のお客様と契約する場合であっても、契約更新の時に金額面で交渉に難航するケースは非常に多いです。提示した金額がお客様の想定を超えて高いと、「高すぎるから他の倉庫を検討する」と言われてしまいます。そういったしがらみを切り離した形で、WareXを使って新しいお客様と出会えることはメリットだと感じています。
WareXを使用しているので、空きスペース活用のために営業面でのコストはかかっていません。コスト、時間をかけずに家賃の回収とオペレーターの生産性向上をはかれることは、すべての面においてプラスだと感じています。
そう言っていただけるとありがたいです。先程の「オペレーターの生産性が向上した」という部分ですが、具体的なイメージがあれば詳しくおうかがいしてもよろしいでしょうか。
UPS様: 例えば1,000坪の倉庫があって、800坪分を10人で作業している時に200坪分の新規案件が入ってきたとしても、合計1,000坪分の作業をその10人で完結できるというイメージです。作業スタッフのアイドリングタイムを最小化して、生産効率性がアップします。
ありがとうございます。「情報を外部に漏らさない」という観点から倉庫同士の横のつながりはあまりないというお話でしたが、WareX上に掲載する倉庫写真は問題なかったでしょうか?
UPS様: はい、倉庫写真については問題なかったと感じています。倉庫外観の写真がわかったとしても、複数の事業者が入居していて実際の運営会社はわからないため、その点はあまり問題にならないと考えています。
ここでは、実際のオペレーションについてもおうかがいいたします。契約のリードタイムについてのご印象をおうかがいできますでしょうか?
UPS様: スピード感についても満足しています。WareXに間に入っていただいているので、荷主様の顔色や雰囲気が分からない点に最初は不安に感じる事もありましたが、サービス性質上そういうものだと理解して利用しています。それ以上に、WareXに間に入っていただいて荷主様との調整を全面的に仲介していただけるメリットの方が大きいと感じています。オペレーションもスムーズでストレスがなく、とても助かっています!
ありがとうございます!今回のスポット案件の価格についてはどういった印象でしたか?
UPS様: 満足です。コストもかかっていないゼロベースで上がってきた案件なので、当社にとって非常にプラスになっています。さらに交渉の際にWareXに間に入っていただいて契約の価格を下げるチャンスを数回いただいたので、安い倉庫を探されている荷主様と出会う機会が生まれて助かりました。
オペレーションについて、当日や翌日など突然の入庫対応は発生しましたか?
UPS様: いえ、ありませんでした。そういった点では、WareXが間に入って締結していただいたルールを守っているお客様が多いというイメージです。
我々が荷主様に対して直接断りを入れることが難しい面も多々あるのですが、そのような場面でもWareXに間に入っていただいて伝えやすくなりました。
「当社が間に立たせていただく」といった対応はアナログならではの面もあるため、デジタル運用に切り替わっても、「第三者が間に入る仕組みをつくりたい」と考えています。
UPS様: 今回はオペレーションやルール作りの点で理路整然と対応していただいたため、とても使いやすかったです。
最後にWareXによる空きスペースの有効活用を考えているUPS様に、今後の展望や戦略のビジョンについてうかがいました。
今回WareXを使っていただいて、今後の倉庫運用にあたり変化していきそうだと感じた部分はございましたか?
UPS様: 倉庫運用は間違いなく変わっていくと思います。これまでは空きスペースを短期活用するための手段をもっていませんでしたが、WareXによって短期活用のチャネルを加味して営業できるようになるため、積極的に活用していきたいです。
ありがとうございます。最後に、今後WareXに期待したいことなどがございましたらご意見を頂戴できますか?
UPS様: 今回、WareXを使ったことで我々としてもさまざまな気づきがありました。そういった意味では、貴社から「こんなやり方があるよ」といったコンサルティングのような支援を行っていただけるとありがたいと考えています。
こういった情勢でさまざまな価値観が変化しましたが、当社としては「アフターコロナがずっと続くだろう」と考えています。現在の価値観でずっと事業を続けていくことを考えると、マッチングサービスというのは新しいジャンルを広げる意味では有効な方法だと思います。
貴社にいただくアドバイスは当社の運用にとって非常に重要になると考えており、そこから長期のビジネスにつながる可能性もあるかもしれません。先程も申し上げたようなコンサルティングなどの有料サポートや、営業ツールのサポートなどが用意されているといいなと思います。
長期の案件をご紹介するには、スポットとは異なる方法を整備していく必要があるので、十分な準備を重ねていきたいと思います。
UPS様: 当社の希望としては、まずはお客様に短期で使って評価していただき、長期利用につなげていくような使い方ができればと考えています。
物流業者は他社との差別化がとても難しいですが、長く倉庫を使っていただいているお客様が当社を選ぶ一番の理由は「品質」です。とはいえ、品質のアピールには難しい面があるので、まずは使っていただくのが一番だと考えています。
WareXを使って短期利用で我々の倉庫の品質を評価していただき、気に入ったら長期契約していただく形になればいいなと思います。