目次
定温倉庫とは、
定温倉庫に興味があっても、実際に利用したことがないと
「定温倉庫とはどのような倉庫なのか」
「自社の製品は定温倉庫に適しているのか」
など、上記のような疑問が浮かんで来ますよね。
具体的に、定温倉庫とは以下のような倉庫をさします。
低温倉庫では、一般的に以下のような設備によって、温度を一定に保っています。
定温倉庫について正しく理解しないまま倉庫を利用してしまうと、保管している物品の品質が低下するリスクが高まります。
そのようなことにならないように、この記事では、定温倉庫について詳しく解説していきます。
この記事を読めば、定温倉庫について正しく理解することができ、適切な倉庫選びができるようになります。
ぜひ、ご覧ください。
冒頭でもふれたように、定温倉庫とは、
のことをさします。
この章では、定温倉庫の
・庫内の温度・湿度
・仕組みと空調設備
・保管に向いている物品
などについて、より詳しく解説していきます。
定温倉庫内の温度は、10〜20度で保たれています。
一般的に、倉庫は庫内の温度によって以下のように種類が分けられており、倉庫選びの際には「保管する物品はどの温度で保管するのが最適か」を考える必要があります。
定温倉庫では、10〜20度のうち保管している物品に最適な温度にあわせて調整しています。
他の種類の倉庫や、倉庫の温度管理について詳しく知りたい場合は、こちらの記事を参考にしてください。
参考記事:倉庫の温度管理とは?|目的や重要性、失敗しないための4ポイント
なお、定温倉庫での保管に適した物品については 「1-3. 定温倉庫に向いているのは「温度変化の影響を受けやすい物品」」 で解説しています。
定温倉庫では定められた温度帯を守るために、以下のような空調設備を活用して温度や湿度を調整しています。
ほかにも
・目視用温度計の設置
・温度、湿度管理システムの導入
・断熱用二重扉の設置
などを採用している倉庫もあります。
定温倉庫での保管に向いている物品は、以下のような物品です。
具体的には、
・チョコレートなどの菓子類
・精密機械やPCパーツ
・革製品などのアパレル製品
・医薬品
・化粧品
・ワインなどのアルコール飲料
・精密機械
・美術品・骨董品
・医療機器
・種子・花苗
などの物品が、定温倉庫での保管に適しています。
定温倉庫について調べていると「低温倉庫」という単語を目にすることもあるでしょう。
低温倉庫とは、定温倉庫とは異なり、庫内の温度が10度以下に保たれている倉庫のことです。
定温倉庫と低温倉庫の違いは、以下の2つです。
倉庫について定められている法律「倉庫業法施行規則」では、低温倉庫は「冷蔵倉庫」や「冷凍倉庫」と呼ばれています。
それぞれ保管に適した物品が違うため、利用する際には注意してください。
定温倉庫について理解した後は、実際に利用する方法について解説します。
定温倉庫を利用する方法は、主にこの3つです。
この章では、それぞれの方法について詳しく解説していきます。
資金や人材に余裕がある企業におすすめなのが、自社で定温倉庫を建築する方法です。
この方法のメリット・デメリットは以下の通りです。
ここからは、自社で定温倉庫を建設する方法の特徴と、導入するため費用の目安を解説します。
なお、先に導入する手順を知りたい場合は 「4-1. 自社で定温倉庫を建設する場合の導入手順」 を参考にしてください。
定温倉庫を自社で建設することで、
・導入するシステムや設備
・作業動線
・運用に関するルール
などを自社で決めることができ、理想により近い倉庫を利用することができます。
倉庫を建設するためには、高額な導入費用が必要です。
倉庫の建築費用以外にも、
・業務用ラックやパレットなどの備品
・フォークリフトなどの物流機器
・工場から倉庫に運ぶ運搬車両
などの費用も必要となります。
倉庫を長期的に利用する場合、最終的なコストは賃貸倉庫や委託倉庫よりも抑えられます。しかし、導入費用を回収できるまでには年単位での時間が必要です。
倉庫の建築費用は、建設予定地のエリアや建築条件等によって異なりますが、坪単価約20~30万円が目安です。
仮に100坪の倉庫を建設した場合、
が建設費用となります。
さらに、一般的に
・基礎工事
・電気の接続工事
・上下水道の接続工事
・消防設備工事
・空調設備工事
などの工事は別料金がかかります。
倉庫の規模やエリアによっては5億円以上の導入費用がかかるケースも珍しくありません。
定温倉庫は、賃貸でも利用が可能です。
コストを抑えつつ、自社物流を行いたい企業には賃貸倉庫がおすすめです。
この方法のメリット・デメリットは以下の通りです。
ここからは、賃貸の定温倉庫を利用する方法の特徴と、導入するための料金目安を解説します。
なお、先に導入する手順を知りたい場合は 「4-2. 賃貸の定温倉庫を利用する場合の導入手順」 を参考にしてください。
一般的に、賃貸倉庫では庫内の設備や人材は自社で用意します。
そのため、倉庫の運営に必要な知識やコツ、技術など物流に関するノウハウを自社に蓄積することができます。
なおこれは、自社で倉庫を建設した場合でも同様です。
しかし賃貸倉庫は、倉庫を建設するのに比べ、低コストで定温倉庫を利用できます。
つまり賃貸倉庫を利用すれば、自社で倉庫を建設した場合と同じような物流ノウハウを、より低コストで培うことが可能です。
賃貸倉庫は、倉庫の所有者の意向によって運用方法に制限がかかるケースがあります。
例えば、
・特定の曜日・時間帯は稼働できない
・特定の作業は行えない
・特定の貨物は保管できない
・倉庫内のレイアウトは変更できない
などです。
場合によっては自社の物品が保管できない、必要な物流機器が導入できないなどのトラブルになるケースもあるため、契約前には慎重に確認しましょう。
貸倉庫の導入費用の目安は、賃料の6〜8ヶ月分です。
例えば、賃料が50万円の倉庫を借りる場合は、300~400万円が導入費用が必要となります。
導入費用の内訳には、一般住宅を借りるときと同様の、
・敷金
・礼金
・保証金
・仲介手数料
などが含まれています。
委託倉庫とは、入出庫や在庫管理などの倉庫業務を外部委託できるサービスの総称です。
ほかの方法に比べ利用開始までのハードルが低いため、まずは低コストで倉庫を利用したい企業におすすめです。
この方法のメリット・デメリットは以下の通りです。
ここからは、委託倉庫を利用する方法の特徴と、導入するための料金目安を解説します。
なお、先に導入する手順を知りたい場合は「4-3. 定温倉庫がある委託倉庫を利用する場合の導入手順」を参考にしてください。
また委託倉庫についてより詳しく知りたい場合は、こちらの記事を参考にしてください。
参考記事:物流アウトソーシングとは?4つのメリットや導入する方法を解説
委託倉庫は利用料金が抑えられるだけではなく、倉庫業務に関する工数を削減することができ、倉庫業務を総合的にコストカットできます。
倉庫業務を自社で行うためには、設備や人員が必要となり、その維持コストは繁閑にかかわらず一定して企業に負担をかけます。
しかし委託倉庫ではほとんどの場合、利用量に応じて料金が変わる「従量課金制」を採用しています。そのため、物品の移動が少ない閑散期には倉庫業務にかかわるコストを削減することができます。
また、倉庫関連業務自体が少なくなるため、専門の人員を抱える必要もなく、人件費の負担を減らすことも可能です。
委託倉庫では、倉庫に関する業務の多くを外部委託するため、自社に物流ノウハウが蓄積されにくいというデメリットがあります。
例えば、
・倉庫レイアウトの考え方
・在庫管理の効率化
・ピッキングシステムの最適化
・返品対応の流れ
・トラブルに対する流れ
などについての知識は、実際の倉庫業務のなかで培われるノウハウの一例です。
自社にこのようなノウハウが蓄積されないと、将来的に物流を内製化するのが困難になります。
委託倉庫では、一般的に導入のための初期費用は発生しません。そのため、ここでは毎月の利用料金について解説します。
月額利用料金は、坪単価4,000〜7,000円が目安です。
例えば、委託倉庫を50坪利用する場合は、毎月20~35万円が利用料金となります。
ただし、委託倉庫の利用料金や料金システムは、サービスによって大きく異なるため、契約時には注意が必要です。
委託倉庫の料金システムには、主に以下のようなパターンがあります。
さらに、
基本的な利用料金とは別に
・作業料
・システム利用料
・人件費
・入出庫料
などが発生するケースがあります。
実際に利用する際には、あらかじめ料金システムについて確認し、納得したうえで契約してください。
ここからは、利用方法別に定温倉庫を選ぶポイントについて解説していきます。
どのような利用方法で定温倉庫を利用する場合でも、物品の品質を落とさずに保管するためには、以下のように自社に適した定温倉庫を選ぶことが大切です。
それでは、それぞれのチェックポイントについて解説していきます。
自社で定温倉庫を建設する場合は、倉庫を建設する目的や懸念点について明確にして、細かく建設会社に相談しましょう。
また、画像や図面など具体的なイメージがある場合は、印刷して共有することもおすすめです。
実際の運用プランも含めて相談することで理想により近い倉庫を建設することができます。
賃貸の定温倉庫を利用する場合は、倉庫を利用する目的を明確にしてから倉庫探しを始めましょう。
・どのような物品を
・どれくらい保管するのか
によって、最適な倉庫が決まります。
何をどれくらい保管するのかが明確になっていれば、
・出入口や天井の高さ・幅
・広さや耐荷重
・電気の容量
・駐車場の数や広さ
なども、スムーズに最適なサイズが判断できます。
**「2-3. 【低コストで倉庫を利用したい企業向け】定温倉庫がある委託倉庫を利用する」**でもふれたように、委託倉庫によって対応できるサービス内容は様々です。
以下は委託倉庫が行うサービスの一例です。
倉庫にはそれぞれ得手不得手があり、対応可能なサービスは異なります。
倉庫選びをする際には、
・どのようなサービスに対応している倉庫なのか
・どの工程を依頼するのか
など、あらかじめ明確にしておきましょう。
ここからは、利用方法別に定温倉庫を利用する手順について解説していきます。
〇自社で定温倉庫を建設する場合
〇賃貸の定温倉庫を利用する場合
〇定温倉庫がある委託倉庫を利用する場合
それでは、それぞれの手順について細かくみていきましょう。
定温倉庫を建設する場合のおおまかな流れは以下の通りです。
なお、問い合わせから利用開始までは、6ヶ月〜1年程度かかります。
①問い合わせ・打ち合わせ
まずは建設会社に問い合わせをします。
打ち合わせのなかで、
・機能
・形状
・解決したい課題
などを情報共有し、どのような定温倉庫が必要なのかをまとめていきます。
②現地調査
倉庫の建設予定地が倉庫が建設できる状態なのか、各種調査を行います。
調査内容は、
・倉庫が建設できる地盤がどうか
・重機が搬入できるか
・法的に倉庫が建設できる土地か
などです。
なお、土地を所有していない場合は、倉庫が建設可能な土地を探すところからスタートします。
③設計契約
調査内容に基づいた正式な図面を作成する前に、「設計業務委託契約」を締結します。
建設会社と施主の双方が内容に合意したら、契約書を取り交わし、図面の作成に入ります。
④実施設計
実施設計とは、工事に必要な正式な図面を作る段階のことです。
細かい仕様書や設計図、展開図など、建設する倉庫に関する情報が細かい部分まで決定します。
⑤工事契約・確認申請
実施設計で作成した図面をもとに、「工事請負契約」を締結します。
この工程で、工事の内容と費用が確定します。
契約後は、建設に必要な「建築確認申請」を行います。
なお、建築確認申請は専門的な手続きとなるため、建設会社が代行するケースがあります。
⑥工事着工
建築確認申請の許可が下りたら工事が始まります。
⑦完成・引き渡し
倉庫が完成後、
・倉庫に問題点がないか
・図面と違いがないか
などを確認し、問題がなければ引き渡しです。
⑧設備の搬入・利用開始
引き渡し後は、必要な設備や機器を搬入し、利用開始となります。
賃貸の定温倉庫を利用するまでの流れは以下の通りです。
なお、問い合わせから利用開始までは、3〜6ヶ月程度かかります。
①問い合わせ・倉庫探し
まずは、借りる倉庫を探します。
・賃貸情報を掲載している情報サイトに問い合わせる
・インターネットで空き倉庫情報を探す
などの方法で希望する倉庫を探し、倉庫を管理している不動産会社に問い合わせをします。
希望する倉庫が見つかったら、現地調査や内見をし、最終的に契約したい倉庫を決めましょう。
②事前審査
契約したい倉庫が決まったら、事前審査を受けます。
倉庫の所有者による審査に通過すれば、契約が可能になります。
③契約・引き渡し
重要事項説明書や契約書などを確認し、不動産会社・倉庫の所有者・借主の全員が内容に合意したら契約を締結します。
契約締結後、契約金を入金をしたら引き渡しとなります。
④設備の搬入・利用開始
引き渡し後は、必要な設備や機器を搬入し、利用開始です。
定温倉庫がある委託倉庫を利用するまでの流れは以下の通りです。
なお、問い合わせから利用開始までは、1週間〜1ヶ月程度かかります。
①問い合わせ・倉庫探し
まず、利用する委託倉庫を探します。
委託倉庫は
・委託倉庫に直接問い合わせる
・委託倉庫を扱うビジネスマッチングサイトに問い合わせる
などの方法で見つけることができます。
②打ち合わせ
利用する委託倉庫が決まったら、現在の倉庫の状況や希望するサービスなどについての打ち合わせとなります。
打ち合わせでは、
・委託したい作業範囲
・扱う物品の種類
・現在の物流業務の流れ
・在庫量の目安
・入出荷件数の目安
などについてのヒアリングもあるため、あらかじめ回答を用意しておくとよいでしょう。
③契約
打ち合わせ後、見積もりが作成されます。
サービス内容や金額など、内容に同意する場合は、契約となります。
④物品の搬入・利用開始
契約で決めた利用開始日が来たら、預け入れる物品を倉庫に搬入し、委託先での物流がスタートします。
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・温度・湿度管理システムの導入
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〇定温倉庫を利用する方法は、主にこの3つです。
〇利用方法別の定温倉庫の選び方は以下の通りです。
〇利用方法別の定温倉庫を利用する手順は以下の通りです。
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