経済学史学会 代表幹事 早稲田大学 坂本様は、「年々増えていく学会資料」の保管場所に長年悩んでいたそうです。これは学会誌や会計資料など、紙としての資料が多い学会では避けられない悩み。経済学史学会 坂本様は、この解決方法としてWareXを導入しました。
経済学史学会 坂本様に、導入の背景や、具体的な導入プロセス、実際に利用してみての感想についてお伺いしました。
・学会関係の資料が年々増え続け、保管場所に困っていた
導入前に感じていた課題について教えてください。
我々、経済学史学会では、会員向けの学会誌を年に2回発行しています。1冊ごとはそれほど大きく場所をとるものではありませんが、72年の歴史がありますので、その分の積み重ねにより膨大な量の資料を保管しているんです。もちろん、この資料には学会誌だけではなく、学会の歴史に関する重要資料や、会計関係の領収書なども含みます。歴代の学会の代表者が折を見て、必要のないものは処分しているのですが、それでも段ボール箱にして89箱もありまして。この資料の保管をどうするかというのが、学会としては積年の悩みでした。
・学会誌を印刷する印刷所の倉庫に仮保管していたが、印刷所の変更にともない白紙に
これまではどこに保管していたのですか?
学会誌の印刷をお願いしていた印刷所が、長野県に倉庫を持っていたので、そこの片隅をお借りして置いてもらっていました。ただ、これは印刷所の方たちのご厚意に甘えさせてもらった形でして、そのまま20年ほどは保管していただいたと思います。
学会の資料は学会の事務局で保管すればいいのではないか、という声もあると思います。事務局というのは、学会の代表幹事の研究室に置かれるのですが、この代表幹事という役職は2年ごとに選挙によって選ばれるわけです。つまり、2年ごとに事務局の場所は変わり、前事務局と現事務局の間を何十年分の段ボール箱が移動する。年月が経過するたびに数も増えていくので、あまり現実的ではないですよね。
確かに、それなら固定の保管場所があった方が、安定的な運用ができると思います。それで、印刷所の倉庫で仮保管してもらっていたんですね。
ところが、今年から学会誌をきちんとした学術出版社から出すことに決まったんです。大きな出版社なので、独自の印刷所も持っています。なので、これまでお願いしていた印刷所から新しい印刷所に変える必要があったのですが、そうなるとこれまでサービスで置かせていただいていた資料は、早急に移動させなきゃいけませんよね。そこで、資料の保管場所を探すことになったんです。
・資料の保管料にあまりお金を割けない学会でも利用できるWareXの価格設定
資料の保管場所として、どういう経緯でwareXに辿り着いたのでしょうか?
保管場所を探すにあたって、初めはトランクルームを検討しました。一般の家庭でも、かさばるものや、家に常時置いておく必要がないものなどをトランクルームに保管することがありますよね。同じ考えから、保管場所として手軽に利用できるのではないかと思ったのですが、89箱もあると結構高いんです。そもそも、家庭用の用途が多いので、そこまで広いトランクルームも少ないようでした。
そこで、次に探したのが貸倉庫。単純にインターネット検索で「貸倉庫」と入力したところ、初めにWareXが表示されたんです。そのときは、すぐに電話して利用を開始しました。
決め手は何だったのでしょうか?
一番の決め手は、料金です。私たちの学会は、お金に余裕があるわけではなく、年間の独自収入も400万~500万ほど。そこから全体の運営費用を賄っているので、資料の保管料だけで毎年何十万も出すことはできないんです。しかし、WareXなら、無理のない金額で利用できる上、一般的な個人向けの貸倉庫よりも安いと分かり、安心して問い合わせすることができました。
もう一つ大きかったのは、HPが非常にしっかりとしていたこと。初めてサイトにアクセスしたとき、サービスについての説明が細かく、かつ分かりやすくまとまっていたので、大丈夫だろうと思ったんです。
・細かな要望にも利用者の負担が少ない、WareXのきめ細やかなコミュニケーション
トランクルームや貸倉庫と違い、倉庫を貸し出したい人と倉庫を利用したい人を繋ぐマッチングサービスということはすぐに理解できましたか?
HPを見れば、初めての人でも理解しやすいようにまとまっていたので、すぐ理解できました。加えて、WareXのご担当者がメールや電話を使い、丁寧にコミュニケーションを重ねてくれたので、不安点はなかったですね。今利用している住友倉庫も、問い合わせから数日で提案していただきました。
導入が決まってからの実際の流れを教えてもらえますか?
まずは、搬入の日程を決めてから、学会資料89箱を住友倉庫に大型トラックで移動させました。倉庫に着いてからは、すべての荷物を開いて、保存する価値のあるものとないものを心を鬼にして仕分けまして。丸1日かけて、89箱から11箱まで減らしました。
小さい倉庫業者だったり、トランクルームだったりすると、平場に並べて仕分け作業はできないですから、助かりましたね。それに、住友倉庫側のサービスも非常に良くて頼もしかったです。
具体的にはどんなサービスがありましたか?
現地に荷物が搬入されるところから、住友倉庫が責任を持って対応してくれるんです。仕分け作業は私たちが自分で行ないましたが、荷物の出し入れだったり、廃棄分の荷物の廃棄作業などはすべて住友倉庫側にお願いしました。
もちろん、廃棄にかかる費用は、倉庫の利用料とは別に学会が負担しています。ただ、そういった細かな対応にかかるコミュニケーションコストがほとんどかからなかったのはありがたいですね。倉庫側とのやりとりは、基本すべてWareXのご担当者が間に入ってくれたので、安心して進行させることができました。
・従量課金制だから、必要な分だけの利用料で抑えられる
実際にWareXを導入してみて、一番メリットを感じているのはどの部分でしょうか?
やはり、コストですね。例えば、倉庫を利用せずに、事務局となる研究室を転々とするような運用をした場合、宅急便で輸送するだけでも数万円はかかってしまうんです。それが、月4000円以内、年間5万円におさまっているというのは、本当に安いと思います。
通常、倉庫の利用料は月額でお支払いしていくものだと思いますが、WareXの場合は荷物の量に合わせて金額が変動する従量課金制。倉庫側も、空いているスペースを有効活用できるので、非常に合理的なサービスだと感じました。
・低コストかつ安全に資料を管理できる倉庫を探してくれるので、学会の大きな助けとなる
当初の課題であった「学会資料の保管場所」については、解消されましたか?
もちろんです。おそらく、私たちの場合は、他の利用者と違い荷物の出し入れが極端に少ないのですが、それでも2年ごとには荷物の出し入れが発生します。そのとき、今利用している1パレットでまたおさまれば、荷物が増えても同じ料金で使用できるというのは、学会としては非常に助かります。私は他にも学会の代表者を2つ経験しているのですが、資料の保管問題に関しては、多くの学会で共通する悩みですので、WareXには大きな需要があると思いますね。
学会の規模にもよりますが、年間5万前後で、学会の資料を安全な倉庫会社さんに保管してもらえると聞けば、興味を持つ方も多いはず。選挙によって学会の長に選ばれても、過去の資料で研究室が占拠されるなんて不合理だと思うんです。それを理由に、代表者をやりたくない人が出てきたら、それはあまり良いことではありません。でも、これまではそれが当たり前の状況でした。倉庫保管を業務委託でお願いするという発想が、これまで学会にはなかったと思うので、これを機に、他の学会でも新しい考え方として選択肢に考えてもらえたら嬉しいですね。