目次
アパレル物流は、アパレル業界を支える重要な工程のひとつです。
しかし物流に関する知識がないと
・「アパレル物流って何?」
・「アパレル物流のコストを抑える方法はある?」
という疑問を持つこともあるでしょう。
端的に言うと、アパレル物流とは
のことです。
アパレル物流は、下記のような流れで行われます。
またアパレル物流には、ほかの業界とは違い
・扱う製品の種類と在庫量が多い
・製品によって保管方法が異なる
・返品が発生しやすい
などの特徴があります。
そのため、アパレル物流では在庫管理や品質管理が複雑になりやすく、コストがかさむことが課題とされています。
この課題に対して、対策をとらないまま事業を行うと、
・在庫管理に手間や時間がかかったり
・製品の保管場所の環境が悪く、返品やクレームの原因となったりして
製品の保管・管理のために必要以上に高額なコストがかかってしまうことがあるでしょう。
そこでこの記事では、以下の内容について解説します。
【この記事を読むとわかること】
・アパレル物流の工程
・アパレル物流の特徴と課題
・アパレル物流を外部委託するメリット・デメリット
・アパレル物流を外部委託する方法
アパレル物流について知りたい人は、ぜひ読んでくださいね。
前述の通り、アパレル物流とは
のことです。
製品を運ぶだけではなく、
・貨物の積み下ろし(荷役)
・保管
・梱包/包装
・流通加工
・情報システムによる管理
なども含まれます。
この章では、
・アパレル物流の流れ
・特徴
・課題と対策
など、アパレル物流に関する基礎知識について解説します。
まずはアパレル物流の流れについて解説します。
例として食品業界の物流と比べながら解説していくので、違いを意識しながら読んでみてください。
アパレル物流の大きな流れは以下の通りです。
それでは、それぞれの工程について細かく解説していきます。
入荷とは、メーカーやほかの物流拠点から製品が送られてくることを指します。
入荷に伴う作業には、以下のものがあります。
1) 荷下ろし
入荷される製品を受け取る作業です。入荷形態には
・折り畳みコンテナ
・パレット
・ロールボックスパレット(カゴ台車)
などさまざまな種類があり、形態によってフォークリフトやハンドリフトなどを使い分けて荷下ろしをします。
2) 入荷検品
入荷検品は、入荷された製品に不備がないか検査をする工程です。
納品書を参照しながら、届いた製品の
・数量
・サイズ
・品番
・汚破損の有無
・初期不良の有無
などを確認します。
アパレル物流では、小売店や消費者から返品されてきた製品のなかから、再度販売できるものをより分け、在庫に戻します。
後述の「アパレル物流の3つの特徴]で詳しく解説しますが、アパレル物流の大きな特徴のひとつに、「返品が発生しやすい」というものがあります。
返品された製品は、試着されていることが多いため、そのまま保管場所に戻すことはできません。
・髪の毛やゴミ・チリによる汚れ
・化粧品や香水の匂い
などが付着していることも多く、改めて検品する必要があり、新品の入荷検査とは異なる作業が求められます。
入荷した製品を分類して、適した場所に保管する工程です。
アパレル製品は製品によって適した保管方法が異なるため、あらかじめ仕分をしてから格納していきます。
例えば、
・一般的な衣類は小型の折り畳みコンテナに
・たためない衣類はハンガーラックに
・アクセサリーは小分けの保管棚に
・靴は専用ラックに
など、製品の大きさや保管方法、カラーやサイズごとに分類してから正しい場所に保管します。
製品の注文が入ったら、出荷作業となります。
出荷作業では、以下の作業を行います。
1) ピッキング
ピッキングとは、あらかじめ発行された注文書や出荷指示書に従って、出荷する製品を集める作業のことです。
ピッキングには、倉庫内から指定された製品を集める「摘み取り式」と、製品を発送先ごとに仕分する「種まき式」の2種類があります。
どちらのピッキング方式を採用するかは、倉庫のシステムや製品の特徴によって、決められます。
2) 流通加工
ピッキングされた製品は、必要に応じて流通加工を行います。
流通加工とは、物流の過程で製品の価値を高めるために施す加工のことです。
流通加工には、以下のような作業があります。
3) 出荷検品/検針
製品を梱包する前に、製品に不備がないか検品をします。
入荷検品と同様に、注文書などを参照しながら
・数量
・サイズ
・品番
・汚破損の有無
・ファスナー等の機能チェック
・混入針などの異物の混在有無(検針)
などを確認します。とくにミシンの折れ針や待ち針の混入などを防ぐために行う「検針」は重要で、ベルトコンベア式検針機やX線検針機などを活用して行います。
4) 梱包
梱包とは、輸送の際に製品を守るために行うパッキングのことです。
出荷指示の内容にあわせて、指定された梱包材で製品を梱包していきます。
5) 積み込み
さいごに、フォークリフトやハンドリフトを使って、製品をトラックへと積み込んでいきます。
積み込まれた製品は、小売店や顧客のもとに届けられます。
アパレル物流の流れについて理解したあとは、アパレル物流の特徴についてみていきましょう。
食品物流や電機・機械物流とは違い、アパレル物流には以下のような特徴があります。
では、それぞれについて解説します。
1) 扱う製品の種類(SKU)と在庫量が多い
アパレル業界では、各製品のカラーやサイズ違いをそれぞれ別製品として扱う必要があるため、扱う製品の種類(SKU)が増えやすい傾向があります。
以下は他業種とのSKUを比較した例です。
上記のように、1つのアイテムのバリエーションが多くなりやすいアパレル製品は、1アイテム当たりのSKUが多くなる傾向にあります。
さらに、アパレル製品は季節やトレンドにあわせて需要が大きく変動するため、常に充分な在庫を抱えておく必要があります。
そのため、製品全体の在庫量が多くなる傾向があり、ほかの業種に比べ在庫管理が複雑化しやすいです。
2) 製品ごとに最適な保管方法が異なる
アパレル製品と一口に言ってもさまざまな製品があり、同じ保管方法では保管できないケースがあります。
アパレル製品の多くは、小さく区切られた段ボール製のスタッキングコンテナに保管されます。
しかし、全ての製品が畳んだ状態でスタッキングコンテナに保管できるわけではありません。
製品によっては、
・スーツなどは、型崩れを防ぐためにハンガーラックで保管する
・靴・鞄などの重量がある製品は、頑丈なラックで保管する
などの保管方法を選ぶケースもあります。
なお最適な保管方法は、製品の素材や形状によって異なります。
保管方法を誤り、商品が劣化すると商品価値が下がったり売れなくなったりしてしまうため、製品の保管方法にはとくに気を配る必要があります。
3) 返品が発生しやすい
アパレル業界は、他業種に比べて返品が発生しやすいことも大きな特徴です。
例えば、
などの理由で返品が発生します。
返品された製品をセール品やアウトレット品として再販するためには、再販できるかどうか改めて検品をする必要があります。
アパレル物流の特徴について、おわかりいただけたでしょうか。
紹介したような特徴を持つアパレル物流では、以下のような点が課題とされています。
1) 受注から出荷までに時間がかかるため、常にオペレーションを見直す
アパレル物流では、受注から出荷までに時間がかかる傾向があります。
その理由はアパレル物流ならではの作業にあります。
本記事中の「アパレル物流の流れ」で解説しましたが、アパレル製品は受注から出荷までに
①ピッキング
②流通加工
③出荷検品/検針
④梱包
⑤積み込み
という作業が必要です。
なかでもピッキングと流通加工、検品には時間がかかりやすく
それぞれ、以下のような理由で作業時間がかかります。
受注から出荷までの時間を短縮するためには、
・作業に無駄がないか
・効率化できる作業はないか
・人員配置は適切か
・作業動線を効率化できないか
・保管スペースは効率よくピッキングできるレイアウトか
など、常にオペレーションを見直して最適化を図る必要があります。
2) 複雑な在庫管理に対応できるシステムが必要となるため、倉庫管理ステムを導入する
アパレル物流では、複雑な在庫管理に対応できる倉庫管理システム(WMS)を導入する必要があります。
倉庫管理システムとは、入出庫や在庫の変動など、倉庫で行われる作業を一括して管理するシステムです。
ハンディターミナルを活用して製品を管理することで、高精度・高効率の在庫管理やピッキングを可能にします。
本記事中の「アパレル物流の3つの特徴」で解説したように、アパレル業界は在庫管理が複雑で難しいため、アナログで管理するのは困難です。
作業の効率化を図ったり、納品ミスを防いだりするためにも、倉庫管理システムを導入しましょう。
アパレル物流の基礎知識について理解したあとは、「具体的に何をしたらいいの?」という疑問が出てくるかと思います。
アパレル物流を行う方法は、以下の通り「自社物流」と「外部委託」の2つです。
この章では、それぞれの物流の特徴について解説します。
自社物流とは、文字通り自社で物流を行うことを言います。
自社物流は「アパレル物流の流れ」で解説したような倉庫で行う以外に、小規模な会社などでは事務所の一部に在庫管理スペースを設けて行うことも多いです。
自社物流には、以下のような特徴があります。
それでは、それぞれについて解説します。
自社物流は、主に扱う製品の数が少ない創業期や小規模の会社が行う物流です。
前述の通り、アパレル物流は扱う製品の数(SKU)が多くなりやすく、在庫管理が煩雑化しやすいです。
そのため、扱う製品の数が多いアパレル会社に自社物流はおすすめできません。
扱う製品の数が少なく、在庫管理業務や発送業務がほかの業務を圧迫していない場合は、自社物流ができます。
自社物流を行うメリットは以下の2つです。
1) 柔軟性の高い物流ができる
自社で物流を行うメリットは「柔軟性の高い物流ができる」ことです。
自社で物流を行うということは、自社のサービスにマッチした物流ができるということです。
つまり、自社物流をすることで、よりニーズに合わせた流通加工をしたり、自社製品に適した保管環境を整えたりすることが可能です。
2) ニーズがキャッチできる
自社物流では、自社で受注対応や返品対応をするため、顧客のニーズをキャッチしやすくなります。
全ての物流業務を外部委託している場合と比べ、よりリアルな顧客の声をキャッチ・反映できるため、顧客の満足度アップが期待できます。
自社物流を行うデメリットは以下の2つです。
1) 在庫管理が主業務を圧迫するケースがある
管理する製品の種類が多くなると、在庫管理や発送業務が忙しくなり、ほかの重要な業務に手が回らなくなってしまうケースがあります。
本記事中の「アパレル物流の課題とやるべき2つのこと」で解説した通り、アパレル物流では複雑な在庫管理に対応しなければなりません。
商品が売れれば売れるほど、重要な営業活動や商品開発など、本来力を入れなくてはならない業務に支障が出てしまう、というケースも珍しくありません。
2) コストがかかる
自社物流を行うためには、さまざまなコストがかかります。
アパレル物流を行うためには、
・在庫管理システムや棚/ハンガーラックなどに対する設備投資
・在庫管理や流通加工のために雇用するスタッフの人件費/教育費
などが必要です。
とくにアパレル製品には季節によって売上の変動がある製品も多く、閑散期には固定化された人件費が大きな負担となるケースもあります。
物流の外部委託とは、ほかの物流機能をもつ会社に物流業務の全てまたは一部を委託することです。
「発送代行会社」「物流代行」「3PL」などさまざまな呼称があります。
アパレル物流においては、商品の入荷から在庫管理、小売店や顧客への発送までの全て、または一部を外部委託することが物流の外部委託となります。
外部委託は、在庫管理や発送業務が多くなり、主業務を圧迫している会社におすすめの方法です。
外部委託について、詳しくは後述の「アパレル物流の外部委託とは」で解説します。
この項では以下のような外部委託の主なメリット・デメリットについて解説します。
それでは、メリット・デメリットについて解説していきます。
物流を外部委託するべき会社の特徴は以下の2つです。
1) 在庫管理・発送業務が主業務を圧迫している
受注件数が増加し、在庫管理や発送業務がほかの業務を圧迫している場合、物流を外部委託することをおすすめします。
とくに社長やマーケティング担当のスタッフなど、本来は別の業務を行うべき人材が受注対応や在庫管理、発送業務などを行っている状態はよくありません。
自社で行う物流業務が会社の業績向上につながる重要な業務を圧迫している状態なら、物流の外部委託を検討しましょう。
2) 物流業務にコストをかけたくない会社
物流に関するコストをできるだけ削りたい会社は物流を外部委託するべきです。
自社で物流を行う場合、在庫保管場所の費用や人件費は全て固定費となります。月に10件発送しても、500件発送しても物流にかかる費用は変わりません。
しかし、外部委託ではほとんどの場合「従量課金制」を採用しており、使った分だけしか料金がかかりません。
そのため発送する件数が少ない閑散期は、その分物流に関するコストを抑えることができます。
物流を外部委託するメリットは以下の2つです。
1) アパレル物流の流通加工に精通している
アパレル物流の流通加工に精通している物流会社を選べば、自社では難しい流通加工を行うこともでき、商品価値の向上が望めます。
アパレル製品には、タグ付けやほつれの補修など、必要な流通加工が数多くあります。
しかし、専門的な流通加工には専門技術やノウハウが必要なことがあり、自社で対応するのは難しいこともあります。
しかし、アパレル物流の流通加工に精通した物流会社に外部委託すれば、自社で行うよりも効率よく品質の高い流通加工業務を行ってくれます。
2) 高い検品/検針技術がある
アパレル物流に特化した物流会社には、金属探知機やX線検査機などを用いた高い精度の検品システムがあります。
「アパレル物流の流れ」で解説したように、アパレル物流での検品作業は、ほかの物流の検品とは異なる部分があります。
専門的な知識や設備が必要な作業もあり、アパレル製品の検品に慣れていない状態で検品をすると、以下のような検品ミスが発生するケースもあります。
・折れたミシン針が衣類に混入していた
・他人の納品書が封入されていた
・シミのある不良品が届いた
上記の検品ミスによって、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージを損なう可能性も少なくありません。
アパレル製品の検品/検針は、設備の整った物流会社に依頼するのがおすすめです。
物流を外部委託するデメリットは以下の2つです。
1) 自社にノウハウが蓄積されにくい
物流業務を外部委託することで、物流業務にかかる負担が減る半面、物流ノウハウが蓄積されないというデメリットがあります。
自社で物流ノウハウをもつ人材を育成できないため、一度外部委託すると再び自社で物流業務を担うのが難しくなるケースもあります。
2) 情報漏洩するリスクがある
物流を外部委託すると、出荷先の顧客情報や自社の製品情報を委託先の会社に預けるため、情報漏洩のリスクが発生します。
例えば、
・メールマガジンの誤配信
・納品書の入れ間違い
・ECサイトがサイバー攻撃にあった
などによる、個人情報の流出リスクをゼロにすることは困難です。
前章で、自社物流と外部委託の違いについて解説し、扱う製品の数(SKU)が多いアパレル会社は物流を外部委託するのがおすすめと話しました。
それでは、具体的にどうしたらアパレル物流を外部委託できるのでしょうか。
この章では、アパレル物流の外部委託について理解するために、以下のことを解説します。
・外部委託できる会社の作業範囲
・外部委託の利用料金
・外部委託をはじめるまでの流れ
・委託する会社の選び方
それでは、それぞれについて詳しくみていきましょう。
アパレル物流を外部委託できる会社の作業範囲は、物流会社の設備やシステムによって異なります。
前述の 「アパレル物流の流れ」で紹介したような基本的な物流業務はどの物流会社でも対応しています。
しかし、以下のような細かい部分には物流会社ごとの違いがあります。
・対応できる流通加工の種類
・検品・検針の方法
・使用しているシステム
以下の表は、一部の物流会社の作業範囲の例です。
上記のように、対応している作業は物流会社によって異なるため、アパレル物流を外部委託する前には、
・自社の物流にはどのような作業が必要なのか
・依頼する物流会社はどのような作業に対応しているのか
について確認しておきましょう。
アパレル物流の利用料金は、利用頻度にかかわらず発生する「固定費」と、使うほど増加する「変動費」で構成されています。
ここからは、利用料金を構成する2つの費用について解説します。
固定費は、
・基本料金(システム利用料)
・保管費用
の2つで成り立っています。
1) 基本料金(システム利用料)
基本料金には、
・作業スペースの利用料金
・物流システムの利用料金
などが含まれます。
2) 保管費用
保管費用は、保管場所の利用費用のことです。
多くの場合、坪単価をもとに計算されます。
坪単価以外にも、
・ラック1台あたり
・パレット1枚あたり
・製品1つあたり
で計算するケースもあります。
保管費用は都心部よりも地方が安い傾向がある
保管費用の単価は、倉庫があるエリアの坪単価が影響します。
そのため、外部委託のコストを抑えたい場合は、坪単価の安い地方に倉庫を構える物流会社を利用するのがおすすめです。
変動費は、
・荷役費用
・作業費用
・輸送費用
・光熱費
の4つで成り立っています。
1) 荷役費用
荷役費用は、製品を倉庫に入出庫するために必要な費用です。
荷役費用の単価は、入荷形態によって決められます。
主な入庫形態
・折り畳みコンテナ
・パレット
・ロールボックスパレット(カゴ台車)
2) 作業費用
作業費用は、アパレル物流での
・ピッキング
・流通加工
・梱包
などの作業にかかる費用です。
作業費用の単価は、
・扱う製品の数(SKU)
・作業の内容
・作業に必要な資材
・必要な人件費
などによって変動します。
3) 輸送費用
主に物流会社が利用する宅配便の発送料となります。
輸送費用は、倉庫からほかの物流拠点や顧客に届けるために必要な費用で、製品のサイズや発送先のエリアによって金額が変動します。
4) 光熱費
倉庫内の温度が一定に保たれる「定温倉庫」を利用する場合は、光熱費を請求されるケースがあります。
高温に弱いPVC製品や多湿に弱い革製品など、アパレル製品のなかには保管場所の温度湿度管理が求められる製品もあります。
これらの製品の品質を守りながら在庫管理するためには、庫内の温度と湿度を任意に設定できる「定温倉庫」を利用する必要があります。
定温倉庫では、常に冷風機やセンサーを使って温度管理しているため光熱費が必要となります。
ここからは、実際に外部委託を始めるまでの流れを解説します。
アパレル物流の外部委託は、以下の手順で行います。
それでは、それぞれの手順について細かく解説していきます。
アパレル物流を外部委託できる会社を探すには、主に以下の2つの方法があります。
アパレル物流を外部委託できる会社を探す方法
・物流会社に直接問い合わせる
・物流会社のビジネスマッチングサイトに問い合わせる
物流会社やビジネスマッチングサイトのホームページから、問い合わせましょう。
問い合わせ時に用意しておく情報
問い合わせは電話やホームページのWebフォームから行います。
問い合わせ時には、問い合わせ内容以外に、以下の内容を聞かれることが多いです。
・会社名
・会社所在地
・電話番号
・担当者名
・担当者メールアドレス
・扱う製品の内容
・一か月の出荷件数目安
・業務開始時期
あらかじめ回答を用意しておきましょう。
問い合わせをすると、担当者から会社の現状や希望する物流会社の条件などについてヒアリングがあります。
スムーズに説明できるよう、あらかじめ
・委託したい作業範囲
・扱う製品の種類
・現在の物流業務の流れ
・在庫の目安
・出荷件数の目安
を明確にしておきましょう。
ヒアリングのあとは、以下のように契約に向けての流れになります。
委託先の見学ができるケースもある
一部のビジネスマッチングサイトでは、希望する物流会社の見学ができるケースがあります。
実際の保管方法や管理方法、流通加工の様子をみることで、
見学を希望する場合は、打合せの時点で担当者に見学希望であることを伝えておきましょう。
契約書を締結します。
契約では
・業務委託契約書
・秘密保持契約書
などを締結します。
委託先での物流業務を始める前に、細かい打ち合わせをします。
例えば
・在庫管理データの共有
・在庫の引っ越しスケジュール
・製品に関する注意点の共有
・包装に関するルールの共有
など、実際の業務を行ううえで欠かせない情報のすり合わせを行います。
事前に決めた稼働開始日がきたら、自社の製品を物流会社の倉庫に搬入し、委託先での物流がスタートします。
アパレル物流を外部委託するイメージができたところで、実際に委託先を選ぶときのポイントについて紹介します。
委託先選びで失敗しないためには、以下の3つのポイントに注意しましょう。
・作業内容/設備
・サポート体制
・出荷可能件数
ここからは、それぞれのポイントについて解説します。
1) 作業内容/設備
委託先の物流会社に、どのような設備があり、どのような作業に対応可能かは必ず確認しましょう。
「アパレル物流を外部委託できる会社の作業範囲」で解説したように、各物流会社が対応できる作業内容は、物流会社の設備やシステムによって変わります。
とくにアパレル物流では、
・製品の補修
・プレス加工
・洗濯ラベル作成・縫い付け
・混入針などの異物の混在有無(検針)
など、ほかの物流にはない専門的な流通加工や検品作業があります。
そのためアパレル製品の取り扱い経験がない物流会社では、上記の作業に関するノウハウが存在しないこともあります。
委託したい物流会社が自社の製品を扱えるかは、必ず事前に確認する必要があります。
2) 出荷可能件数
物流会社のなかには、一定期間内に出荷可能件数を設けているケースがあります。
出荷可能件数を超えてしまうと一時的に出荷制限をかけられてしまい、出荷遅延が発生します。
アパレル業界はイベントシーズンやセール期間中は出荷数が一時的に増加することも多いため、出荷可能件数についてしっかりと確認しておくことが重要です。
3) サポート体制
自社との連携が密にとれるかどうかも重要なポイントです。
・問い合わせ先
・対応時間
・対応時間外の連絡方法の有無
など、事前に確認しておきましょう。
サポート体制が整っている物流会社を選ぶことで、疑問点や不安な点が発生した時も速やかに解決できるため、安心して外部委託できます。
「アパレル物流を外注したい」
「コストをかけずに物流を外部委託したい」
このような悩みをお持ちの方は、ぜひ「WareX」をご検討ください。
「WareX」は、全国の倉庫が利用できるシェアリング型の倉庫寄託サービスです。
「WareX」の利用料金は、使った分だけ請求される「従量課金制」です。
利用料金の内訳は以下の通りです。
上記の通り、使用枚数や使用回数を基準に利用料金を計算するため、在庫や入出庫の件数が少ない月は請求金額も少なくなります。
そのため受注数が少ないシーズンでも無駄な倉庫代が発生しません。
アパレル物流とは
衣類やファッション小物などのアパレル製品を、生産者から消費者に届ける流れ全体
のことです。
〇アパレル物流の流れは以下の通りです。
〇アパレル物流には、以下の特徴があります。
・扱う製品の種類(SKU)と在庫量が多い
・製品によって保管方法が異なる
・返品が発生しやすい
〇アパレル物流の課題とやるべきことは以下の通りです。
・受注から出荷までに時間がかかる
・複雑な在庫管理に対応できるシステムが必要となる
〇アパレル物流を行う方法は、以下の通り「自社物流」と「外部委託」の2つです。
アパレル業界は扱う製品の数が多いため、アパレル物流をするときには、外部委託をするのがおすすめです。
〇アパレル物流を外部委託するさいの料金システムは以下の通りです。
〇アパレル物流の外部委託は、以下の手順で行います。
〇外部委託する会社選びで失敗しないためには、以下の3つのポイントに注意しましょう。
・作業内容/設備
・サポート体制
・出荷可能件数
この記事では、アパレル物流の基礎知識と、アパレル物流を外部委託する方法について解説しました。
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