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ロジスティクスという言葉は近年物流業界でよく使われるようになりましたが、いまひとつどのような意味を持っているのか分からないという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、ロジスティクスの意味や物流との違い、ロジスティクスにおける課題について解説します。
ロジスティクスと物流やサプライチェーンを同じものと捉えている方も少なくありません。しかし、実際にはその意味合いは少し異なります。ここでは、それぞれの違いについて分かりやすく解説します。
物流は文字どおり「モノの流れ」を指しており、入出庫や検品、ピッキング作業などの荷役や保管、流通加工、包装、輸配送、情報管理などの物流業務全般を意味します。
一方で、ロジスティクスは「物流による経営全体の最適化」を表す言葉であり、厳密にいえば物流はロジスティクスに含まれています。
つまり、ロジスティクスは「物流をまとめて管理するという考え方」、物流は「モノの流れそのもの」を表しているといえます。
ロジスティクスは「物流をまとめて管理するという考え方」であると先述しました。
一方、サプライチェーンは「商品が生産され、販売ルートに乗せられるまでの一連の流れ」を表します。
ロジスティクスが概念であるとすれば、サプライチェーンは「スタート(製造)からゴール(販売)までの一連のプロセス」であるといえます。
物流を一元管理して経営の最適化をはかるロジスティクスは、企業経営にさまざまな方面からインパクトを与えます。ここでは、代表的な3つの観点から詳しくご紹介します。
企業における物流の全体像を把握し一つひとつの業務を最適化することで、全社的に生産性が向上するだけでなく在庫管理もスムーズになります。生産性が向上すると売上増にもつながり、事業規模の拡大や顧客満足度の向上にも結びつく可能性が高まります。
物流の効率化をはかることで、コスト削減効果も期待できます。
ロジスティクスは商品の生産工程や倉庫内業務、輸配送に至るまで、物流のすべてのプロセスの効率化を目指しています。効率的な生産により生産コストを、物流業務を省力化して人件費や保管費を、輸配送の効率化によって燃料費を削減することが可能になります。
ロジスティクスがうまく機能していない企業では、営業部門が物流の管理を並行して行っている場合があります。
そこでロジスティクスを専門の部隊に一任することで、営業部門は営業活動に集中できるようになります。さらに、ロジスティクス部門がうまく機能するようになるとデータの正確性も向上し、営業活動に活用できる貴重な資料となり得ます。
このようにロジスティクスは営業支援につながる可能性も秘めているといえるでしょう。
コストの削減はロジスティクスにおいて重要な課題であり、現状の倉庫運用を見直すことが大切になります。倉庫内で作業を行うスタッフの「人件費」、倉庫スペースや光熱費などの「保管費」、在庫管理などのデータ処理にかかる「情報処理費」を明らかにして、削減できないか検討してみましょう。
倉庫に何気なく在庫を置いているだけでも、在庫の一つひとつには保管コストが発生しています。自社で倉庫を所有している場合は、過剰在庫によって倉庫のスペースが圧迫されて新たな倉庫を契約しなければならなくなったり、光熱費が増大したりする可能性があるでしょう。
外部倉庫を借りて在庫を保管しているなら、倉庫の規模が在庫数に見合っておらずにコストが不必要に高くなっている場合もあります。在庫数に対して倉庫サイズが大きすぎるようであれば、小さなサイズの倉庫に切り替えると賃料を削減して業務効率化も同時に達成できる可能性があります。
倉庫を多く抱える事は、固定費の増大にも繋がりますので、シェアリング倉庫も活用もお勧めです。
ロジスティクスの改善をはかるためには、固定費から変動費への切り替えや倉庫内のシステム化が効果的です。ここでは、具体的なロジスティクスの解決策をご紹介します。
自社倉庫を維持・運用する場合、倉庫の管理費は固定費となります。
倉庫スペースの維持費や現場で働くスタッフの人件費、在庫の状態を維持するための光熱費など、倉庫管理費にはさまざまな費用がかかります。なかでも倉庫の賃料や人件費などは削減が難しい部分であり、固定費を大幅に減少させる形でのコスト削減は難しいといえるでしょう。
このような場合は、寄託倉庫を利用して自社倉庫を第三者による運用に切り替えることで、倉庫管理費を変動費に変更できます。倉庫管理費が変動費に変わると、倉庫を利用した分だけの請求となります。これにより、受注量が多かった月は請求が増加するもののそれほど使わなかった月は費用を最小限に抑えることができます。
自社倉庫の場合は抱えているスタッフを容易に増減できない状況にありますが、外注であれば繁忙期と閑散期に合わせて柔軟に調整できるため、人件費の削減も叶えられるでしょう。
倉庫シェアリングサービスのWareXなら、希望のロケーションやサイズに合わせて最適な倉庫業者とのマッチングが可能です。倉庫管理の柔軟性や作業効率を高め、固定費から変動費に切り替えることによってコスト削減も実現できます。
倉庫ロボットや倉庫管理システムを導入して業務効率化をはかり、人件費の削減を目指す方法もあります。
「WMS」とも呼ばれる倉庫管理システムを導入すると、在庫管理や最適なピッキング導線の算出、ロケーション管理、棚卸管理など、物流を効率化するためのさまざまな機能を活用できます。一つひとつの物流業務の効率化が全体の業務効率化につながり、人件費や管理費などのコスト削減を実現します。
また、ピッキング作業や商品運搬をサポートしてくれる倉庫ロボットの導入も効果的です。
倉庫内を自走して荷物をピッキングエリアや梱包エリアに運んでくれるロボットや、ピッキング担当者の元に在庫を棚ごと運んできてくれるロボットをうまく取り入れると、大幅な作業時間の短縮につながり、コスト削減を達成できるでしょう。
Robowareは倉庫の現状を適切に把握したうえで、最適な物流の運用体制を構築するとともに、効果的な倉庫ロボットの導入をサポートします。実証済みのロボットだけをご紹介するため、効果が確かで安心感もあり、初めての方でもスムーズに導入できます。
ロジスティクスは物流全体を一元管理して経営面から効率化を目指す活動のことであり、物流やサプライチェーンとは意味合いが異なります。生産性の向上やコスト削減、営業支援などさまざまなメリットをもたらす可能性があるロジスティクスは、ぜひ確立しておきたい考え方です。
ロジスティクスを改善するためには、固定費から変動費への変換促進や、倉庫管理システムや物流ロボット導入によるデジタル化などの施策が有効です。ロジスティクスの推進には、シェアリング倉庫を誰でもカンタンに利用可能な、”WareX”や月額性倉庫ロボットサービス”Roboware”のご活用もぜひご検討ください。