EC物流とは?特徴や流れ、課題や改善点まで詳しくご紹介

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2022-05-16
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はじめに

EC物流とは通販やネットショップなどEC事業者の物流プロセスを指します。この記事では、EC物流の特徴や流れ、現場における課題とその解決方法などについて詳しく解説します。

人手不足の解消や業務効率化につながる倉庫ロボットやシェアリング倉庫サービスについてもご紹介しますので、ぜひご覧ください。

EC物流とは?どんな特徴がある?

EC(electronic commerce)とは、電子商取引と訳され、商品やサービスをインターネット上で売買するビジネスを指します。通販やネットショップなどが該当します。
EC物流は、通販やネットショップなどEC事業者の物流プロセスのことです。

EC物流の特徴は、BtoC(法人→個人)向けの出荷がメインとなる点です。個人消費となるため、1件あたりの出荷点数は少なく配送先は多くなります(小口配送)。
また、商品のギフト対応(ラッピング・熨斗・メッセージカード等)などの個別作業が多いこともBtoCならではの特徴といえるでしょう。
売り上げ拡大を狙う事業者は、楽天市場やAmazonなどのオンラインショップに多店舗展開を行う傾向にありますが、物流拠点は一箇所に集約しているケースが多いです。そのため、複数店舗の在庫管理や発送作業を並行して進める必要があります。

このように、EC物流では、手がける工程や個別対応が多く、BtoB(法人→法人)向けの物流とは異なる独特の難しさがあります。作業ミスのない高品質な物流工程を構築していくとともに、作業効率化を図ることが鍵となります。

EC物流の流れ(入荷~出荷まで)

EC物流の作業工程はどのように進むのか一連の流れをご紹介します。

入荷・検品

まずは販売する商品の入荷作業があります。ここでは、商品の品目や数量が発注書の内容と一致しているか、商品の破損や汚損がないか確実に検品することが大切です。入荷・検品の際にエラーを検出できないと、後々データ上の在庫と実在庫にズレが生まれ、棚入れ以降の作業時に記録を照合する手間が生じたり、出荷ミスをもたらしたりする可能性があります。ここで確実にエラーを取り除けるように、ルールに基づく検品フローを実施することが必要です。

保管(棚入れ)

検品終了後、正しいロケーションに商品を保管(棚入れ)していきます。商品の保管は、後のピッキング作業をスムーズに行う上で非常に重要です。ルールに則って所定の保管場所に配置すること、古い商品がいつまでも滞留しないように、先に仕入れたものが前に来るように保管することが必要です。

ピッキング・検品

消費者から注文が入ったら、出荷指示書(ピッキングリスト)をもとに保管場所から指定の商品を集めます。その際、ピッキングした商品に間違いがないか、不良品ではないかなど検品が必要です。

流通加工

流通加工は、値札シールの貼付や、ギフト用ラッピングなど、梱包前に商品に付加価値を高める作業です。個別の細かい対応が求められるため、業務負荷も大きい工程です。消費者のオーダーを見逃すことや、低品質なラッピングになることのないように、工程管理や品質チェックを行うことが大切です。

梱包

梱包は、消費者に商品が届いた際の第一印象となります。丁寧に梱包され美しい見た目で届くことで満足度が上がります。また、荷役の際や輸送中に荷物(商品)を守る上でも適切な梱包は重要といえます。

出荷

商品を出荷します。配送先や配送日時間に間違いがないように、最終確認を行います。特に、伝票貼付はミスが起こりやすいポイントですので、注意が必要です。

EC物流における3つの課題

EC物流においてはどのような課題があるのでしょうか。詳しくご説明します。

ECならではの対応等で、在庫管理が難しい

EC物流では商品は多品種小ロットになることが多いです。つまり在庫として抱える品目が膨大となるため在庫管理が大変になりますし、保管の方法や配置などにスペースや工夫が必要です。

また、商品のキャンセルが珍しくありません。キャンセルが発生すると、出荷前の場合は発送中止や工程間の戻しが発生します。また、出荷後の場合は、返品対応が発生し、返品待ちの間は在庫のズレが生じます。

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作業ミスが発生しやすく、1つのミスで信頼喪失

EC市場は繁閑の波が激しく、人的リソースの配置が読みづらい側面があります。クリスマス、正月、盆暮れなどの一般的な繁忙期に加え、トレンドや社会情勢などにより、予測できない大量の注文があることも。人的リソースが足りない状況ではミスの発生や作業品質の低下につながってしまいます。

ギフトラッピングやメッセージカードの封入、名入れなど個別のオペレーションが多いため、作業量が複雑膨大となりミスにつながります。クリスマスや盆暮れなどの時期はギフトが多い上に繁忙期ともなるため、特にミスが発生しやすくなります。

さらに、発送商品の間違いや発送日時のズレが生じると企業としての信頼を失いかねません。誤発送が起こる原因である住所ラベル(個人情報)の貼り間違えは、プライバシーに関する問題も発生します。

宅配便の利用増により、物流コストが急騰

EC市場はここ10年で大きく成長し、特にコロナ禍で個人のネットショップ利用が大幅に増えました。物流業界ではドライバーは不足に悩まされている状況です。さらに、ドライバーの長時間労働の是正が行われ、以前のような配送スケジュールを組むことができなくなったこともあり、運送コストが高止まりしています。

また、働き方改革と最低賃金上昇により人件費も上がっています。繁閑の波が激しいEC事業では、閑散期でも繁忙期と同様に人件費が発生するため、固定の人件費を圧縮できない事業者が多く存在します。

EC物流の課題を解決するには?

EC物流における課題を解決する方法として、すでにあるオペレーションを改善すると同時に、ITの導入や外部サービスの利用などが効果的です。

オペレーションの見直し

EC物流では、商品が多品種小ロットのため、現場の作業量が多くなりがちです。その上、ギフト発送など個別対応などが生じることになります。マニュアル化が進まず属人的な業務体制となっている現場も少なくありません。しかし、これではスタッフの熟練度によって品質が左右されますし、ルールが明確でないことから、連携や情報共有がうまくいかず、ミスが発生しやすくなります。マニュアル化を進めることで、一定の品質を担保することが大切です。

また、マニュアル化や改善を進める際は、現場の作業員の悩みや意見を取り入れた改善をする必要があります。現場の状況にそぐわないマニュアルを作成しても守られることはありませんし、逆にオペレーションに混乱をきたします。

ITシステム・倉庫ロボットの導入

EC物流では非常に多くの情報を複数工程で共有する必要があります。データの管理を部署別に、Excelファイルや手書きの伝票等で管理していては、正確な情報伝達は難しく、確認に多くの時間と労力がかかります。

倉庫管理システム(WMS)を導入することで、倉庫内のデータを全て一括管理することが可能です。入荷・在庫・出荷・棚卸し・帳票、ラベル発行・返品まで全てWMS上で行います。人為的ミスの削減や業務の標準化につながると同時に、在庫状況をリアルタイムで確認できるようになるメリットがあります。

WMSの利用にあたってはハンディターミナルの導入も効果的です。バーコードを読み取ることで商品の状況確認や作業処理を瞬時に行うことができます。これまでの目視や手書き、PCやタブレットへの入力に比べ、圧倒的に労力や時間を短縮できます。

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また、倉庫ロボットを導入するという選択肢もあります。倉庫内の仕分け、搬送、ピッキングなどを全自動で行うことで、作業の正確性を上げ人件費の削減やリソースの適切な配分が可能です。

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物流アウトソーシングの活用

物流アウトソーシングとは、物流業務を外部へ委託することを意味します。幅広いEC物流の知見を持った、プロによる専門性の高いサービスを受けることができます。また、在庫管理や個別対応のオペレーションが既に完成しており、様々な会社のEC物流を一手に受けているため自社でやるよりもコストを抑えることが可能です。物流アウトソーシングを利用することで、EC物流における3つの課題を解決できます。

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