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EC物流倉庫とは?主な業務内容と活用する5つのメリットを解説

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2022-06-10
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はじめに

EC物流倉庫とは、通信販売やネットショップなどEC市場に特化した物流倉庫です。
EC物流倉庫の説明.jpg
EC市場の拡大により、ECの物流業務の効率化や人員不足の解消を担うEC物流倉庫が注目されるようになりました。

しかし、一言でEC物流倉庫と言っても業務内容は多岐に渡り、委託先やEC物流倉庫の種類によって提供されるサービスが異なります。

自社のECに最適なEC物流倉庫を選択するには、あらかじめEC物流倉庫の業務内容や種類、選び方を知っておくことが大切です。

そこでこの記事では、EC物流倉庫の特徴や業務内容、活用するメリットなどEC物流倉庫に関する基礎知識をまとめて解説します。

【この記事を読むと分かること】
・EC物流倉庫とは
・EC物流倉庫の特徴
・EC物流倉庫の主な業務
・EC物流倉庫の4つの種類
・EC物流倉庫を活用する5つのメリット
・EC物流倉庫を活用するときの注意点
・EC物流倉庫を選ぶときの5つのポイント

この記事を最後まで読めばEC物流倉庫の魅力や選び方が把握でき、導入を検討できるようになるはずです。大変なEC物流業務を効率化するためにも、ぜひ参考にしてみてください。

EC物流倉庫とは

物流倉庫_棚.jpg
EC物流倉庫とは、通信販売やネットショップなどのEC市場に特化した物流倉庫です。詳しく解説をすると、EC(electronic commerce・電子商取引)とはインターネット経由での商品の売買を指します。物流倉庫は、物流業務の入庫から出庫までを担う倉庫サービスのことです。

EC物流倉庫の説明2.jpg

EC物流倉庫は従来は商品を保管する倉庫を指す言葉でしたが、昨今は倉庫内で行う検品や梱包などのサービスも含む言葉となっています。

そのため、EC物流倉庫とはネットショップや通信販売経由で消費者が注文した商品を物流拠点となる物流倉庫倉庫に入庫し、検品や保管、梱包を行い出庫するサービスとなります。

経済産業省が公表している「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」によるとEC市場は2013年より右肩上がりで成長しています。2020年度のEC市場規模は19兆2,779億円となっており、EC市場自体が拡大していることが分かります。

BtoC_EC市場規模の経年推移.png
出典:経済産業省「令和2年度電子商取引に関する市場調査

そこで、ECの物流業務の効率化や人員不足の解消を担うEC物流倉庫が注目されるようになったのです。
次の章では、EC物流倉庫ならではの特徴を詳しく解説していきます。

EC物流倉庫の特徴

物流倉庫_トラック.jpg
EC物流倉庫ならではの特徴としては

・スピード感を求められる
・ラッピングや同梱包など細かなサービスが必要
・少量多品種になることが多い
・返品や交換などのアフターフォロー対応

という4つがあります。EC物流倉庫にはどのようなことが求められているのか、詳しく見ていきましょう。

スピード感を求められる

ECでは、さまざまなニーズを持つ消費者が商品を注文します。実店舗に足を運ぶ時間のない消費者が

・明日の仕事で使いたい
・週末のイベントまでには揃えたい

など直近の予定に合わせて購入することも多々あります。そのため、EC物流倉庫では入庫から出庫までのスピード感が求められます。

実際に、ECサイトを選ぶときに配送スピードを重視する消費者が多く「翌日配送」や「スピード配送」などの選択ができるか確認して注文するケースも見受けられます。

配送スピードが遅いと、それだけで競合他社との差が生まれてしまうのです。通常の物流倉庫よりもスピードを重視して作業しなければならないのは、EC物流倉庫ならではの特徴です。

ラッピングや同梱包など細かなサービスが必要

EC物流倉庫では、他社との差別化やリピートにつながるプラスアルファの作業が必要となります。

例えば、季節やお祝いに応じたラッピングのスキルを求められることがあります。自社のECにクリスマスやバレンタインデーなどイベントに応じたラッピングサービスがあれば、消費者の目に留まりやすく差別化につながるからです。

他にも

・リピートにつながるクーポンやカタログ、サンプル品の同封を行う
・複数の注文品をまとめて梱包し送料を抑える
・購入商品に応じたノベルティを同封する

など、細かな対応が必要となることもあります。EC物流倉庫ではただ商品を発送するのではなく、ECの売上に貢献するプラスアルファの作業ができるスキルや設備が必要となるのです。

返品や交換などのアフターフォロー対応

EC物流倉庫では、柔軟なアフターフォローが求められることが多いです。ECは実店舗とは異なり、購入する商品の目視確認や試着ができません。そのため、ECは実店舗よりも返品や交換が多い傾向があります。

返品や交換に時間がかかったりスムーズな対応ができなかったりすると、顧客満足度の低下やクレームにつながる可能性もあるでしょう。EC物流倉庫は消費者から返品や交換の依頼があった際には代わりとなる商品を迅速に用意し、配送の手配を行う必要があるのです。

通常の業務がある中で、イレギュラーな業務にも迅速に対応しなければならないのはEC物流倉庫ならではの特徴だと言えます。

EC物流倉庫の主な業務

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EC物流倉庫の概要が把握できたところで、EC物流倉庫の具体的な業務をご紹介します。

EC物流業務の流れ.jpg
EC物流倉庫での作業の流れに沿って解説していくので、どのような物流業務を行っているのかチェックしてみてください。(EC物流倉庫により対応できる業務は異なるのでご注意ください)

入荷

入荷とは、仕入先から発注した商品が届くことを指します。

商品が届いたら、まずは車両から荷物を降ろします。家電製品や割れ物など扱っている商品によっては、非常に大変な作業です。安全性を確保しながら、手際よく作業を行います。

最近のEC物流倉庫は倉庫の地下やEC物流倉庫敷地内に駐車スペースを確保していることが多いです。大型車両であっても、周辺環境に配慮をしながら荷下ろしが可能です。

検品

入荷した商品はそのまま保管するのではなく、検品を実施します。入荷確認ができていないと、発送時や在庫管理時のトラブルにつながるからです。

商品の個数が多かったり入荷頻度が高かったりすると大変ですが、必ず行わなければならない作業の一つです。検品では

・発注した商品と合っているか
・発注した個数と合っているか
・商品に破損や異常はないか

を目視で確認します。輸入品や食品など扱う商品によっては、通常の入荷検品に加え入念な検品をすることがあります。例えば、衣類やタオルの場合は、検針機などを使い針が混入していないかチェックします。もちろん、製造工場でも検品を実施していますが、入庫後に確認をするケースもあります。

最近では目視での確認と同時に、倉庫管理システムを活用することが多いです。バーコードでスキャンをしたり端末に情報を打ち込んだりすると、発注情報との照らし合わせや在庫数の更新ができます。

入庫

入庫とは、届いた商品を物流倉庫などの保管場所に入れることを指します。車両から降ろした商品はそのまま出荷作業に移らない限り、倉庫内で保管をします。とくにEC物流は多品種になることが多いため、ルールに従って保管をすることが重要です。

EC物流倉庫では、主に下記の2つの保管方法を採用しています。
EC物流倉庫_保管方法.png

固定ロケーションは、決められた位置に決められた商品を保管する方法です。ECで扱っている商品が固定されている場合や商品数の流動が少ない場合に向いています。

フリーロケーションは、商品の保管場所を決めないで臨機応変な対応をする方法です。季節に応じて商品数に流動がある場合や商品の入れ替えが激しい場合は、固定ロケーションでは対応しきれなくなります。

そこで、フリーロケーションを選択し空いている場所を有効活用することで、効率化が見込めます。

フリーロケーションの場合は在庫管理が複雑化しやすいですが倉庫管理システム(物流倉庫内の在庫や入出庫の管理を効率化するシステム)と組み合わせると、どこに何を保管しているのか可視化しやすくなります。

保管

EC物流倉庫は、商品を適切に保管することも重要な業務です。適切な保管とは

①商品の品質を保つ
②在庫管理を行う
③いつでも商品をピッキングできる状態にしておく

という3つを指します。商品を一時的に預かっている間に、品質が劣化してしまっては出荷ができなくなります。商品に応じて適切な環境で保管をして、品質を劣化させないように管理をします。

例えば、温度管理が必要な食品は、一定の温度と湿度を維持した倉庫内で保管をします。定期的に賞味期限や品質を確認し、出荷できない状態のものは廃棄へと回します。

また、EC物流倉庫はスピードを求められるので、必要なときにすぐに出荷できる保管方法が求められます。「入庫」で解説したような保管場所の工夫をして、次の工程であるピッキング作業を円滑に進められるようにしておきます。

ピッキング

ECに注文が入ったら、ピッキング作業を行います。ピッキングとは、倉庫に保管されている商品から注文の入った商品を集める作業です。ピッキングの方法には、下記の2種類があります。
ピッキング_方法.png

シングルピッキングは、注文ごとに商品を集める方法です。タオル1枚の注文が入ったら、指示を受けて該当のタオル1枚を集めます。作業がシンプルなのでミスが発生しにくく、経験の浅いスタッフでも取り組みやすいところがメリットです。

トータルピッキングは複数の注文分をまとめて集めて、収集後に個別の注文に分ける方法です。EC物流倉庫内が広い場合や注文が多い場合は、トータルピッキングを採用することで業務効率化につながります。

ピッキングは地図や指示書を持ちながら手探りで集める方法が主流でしたが、最近では音声での指示システムやピッキングをサポートするシステムも登場しておりEC物流倉庫によっては効率よく作業ができるようになっています。

仕分け

仕分けとは、商品をルールに従って分類する作業です。EC物流倉庫から出荷する商品は、倉庫内に保管されている商品ばかりとは限りません。

入荷した商品を保管せず、そのまま出荷することもあります。その場合は、仕分け作業で出荷先や商品ごとに分けていきます。

仕分け作業で間違えるとスムーズな出荷ができなくなるため、精度の高い作業が求められます。最近は、物流システムを活用し自動で仕分けをした後に、手作業で最終的な確認をするハイブリッド型での仕分け作業が増えています。

梱包・流通加工

EC物流倉庫では満足度の高い状態で届けられるような梱包を行います。基本的には、商品のサイズに合う段ボールや封筒に詰めていきます。このときに、割れ物や精密機器は緩衝材を使用したり小さな商品は袋に挿入したりと工夫が必要です。

ECによっては

・ラッピング対応
・メッセージカードの同封
・ノベルティや試供品の同封
・クーポンやチラシ、カタログなどの同封

などさまざまな指定があるので、指示通りに作業を行います。

生鮮食品や生菓子、食品などECでの取り扱い商品によっては、梱包前に加工や検品を行い安全性を確認した上でクール便対応ができるよう梱包をしていきます。

また、EC物流倉庫によっては流通加工機能を備えていることがあります。流通加工を行う場合は指示通りの加工作業をしてから梱包へと進みます。

流通加工は商品の価値を向上させる加工全般を指すため、加工内容は多岐に渡ります。

・食品の小分け作業
・衣類やタオルへの値札、タグ付け
・生鮮食品の二次加工
・電子機器の簡単な組み立て

流通加工の内容によっては専門性が高く、専用の装置や従業員を配置していることもあります。

出庫

梱包ができたら、商品を配送会社に渡すための出庫作業を行います。出庫では、主に下記の2つの業務を行います。

①伝票の貼り付け
出庫する商品に、運送会社の伝票を貼り付けます。倉庫管理システムや出荷伝票と照らし合わせながら、住所と氏名、商品を確認して伝票を貼り付けていきます。

②車両に積み込みをする
梱包した商品をパレットの上に載せて、安全性に配慮しながら車両に積み込みをします。(商品によってはパレットを使用しない場合もあります)商品に関する注意事項がある場合は、ドライバーに共有をして破損などの異常がない状態で消費者の手元に届くよう配慮します。

出庫作業までを担うEC物流倉庫が多いですが、EC物流倉庫の種類によっては配送までを担当します。配送とは荷物を消費者に届ける業務です。配車配車管理システム(商品を出荷してから消費者に届けるまでの輸配送を管理するシステム)を導入しているEC物流倉庫の場合は、運送状況をリアルタイムで確認することが可能です。

アフターフォロー

EC物流倉庫によっては、返品や交換、問い合わせなどのアフターフォローに対応している場合があります。ECに返品や交換の依頼があっても、実際に対応できるのは在庫管理や入出荷をしているEC物流倉庫です。

EC物流倉庫側に返品や交換に対応できる仕組みがあれば、スムーズな対応が実現します。返品や交換対応については消費者からの意見を聞き、交換品や他の商品を届けることになればすぐに手配を行います。

ここまでご紹介したEC物流倉庫の業務は、あくまでも一例です。EC物流倉庫の種類やサービス内容によって、携わる範囲が異なります。次の章では、EC物流倉庫の種類について詳しく解説していきます。

EC物流倉庫の4つの種類

コンベア.jpg
EC物流倉庫は、大きく分けると下記の4種類に分類できます。
EC物流倉庫_種類.png

EC物流倉庫の種類によって、特徴や業務範囲が異なります。自社のECに合うEC物流倉庫を見極めるときに重要なポイントとなるので、ぜひチェックしてみてください。

フルフィルメントセンター(FC)

フルフィルメントセンター.jpg
フルフィルメントセンター(fulfillment Center)とは、商品の入荷から配送までの物流業務全般を行うEC物流倉庫です。EC物流倉庫の主流の形態で、「EC物流倉庫の主な業務」で紹介した業務を一元管理できるところが特徴です。

商品の検品や管理、梱包など手間のかかる業務を1つの拠点で行えるため、EC物流に必要なスピード感や効率化を実現できます。また、手間のかかる出荷やアフターフォロー業務を任せられるところも強みです。

一方で、多くの物流業務をフルフィルメントサービス企業に任せることになるため、品質やサービスはフルフィルメントサービス企業次第となります。ECサイトで取り扱っている商品と相性のいいフルフィルメントセンターを選択することが重要です。
FC_メリットとデメリット.png

トランスファーセンター(TC)

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トランスファーセンター(Transfer Center)とは、通過型のEC物流倉庫で、在庫を保管しないところが最大の特徴です。

入荷した商品はそのまま検品や梱包をして、車両に積み込みます。場合によってはトランスファーセンターに商品を集め、方向別に積みかえる作業のみを行うこともあります。注文があった商品のみを入荷しすぐに配送するので、小ロット多配送に適しているところがメリットです。

一方で、在庫管理や在庫の保管はできないので、ECの運用方法によっては活用できない可能性があります。また、トランスファーセンターでは入出荷が高頻度で繰り返されるため、正確な商品管理が必要となります。
TC_メリットとデメリット.png

ディストリビューションセンター(DC)

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ディストリビューションセンター(Distribution Center)は、在庫型のEC物流倉庫のことです。EC物流倉庫に入荷した商品は一度保管され、必要に応じて出荷作業を行います。

フルフィルメントセンターと似ていますが、フルフィルメントセンターのように一元管理をすることが目的ではなく、在庫管理に重点を置いています。そのため、ディストリビューションセンターでは返品や交換などのアフターフォローを持ち合わせていないことが多いです。

ディストリビューションセンターのメリットは、在庫の保管と入出荷作業をまとめて行えるところです。とくに取り扱い商品が多い場合は逐一入荷をしていると時間と手間がかかります。ある程度在庫を持っておくことで、注文が入った際にすぐに対応することが可能です。

デメリットとしては、フルフィルメントセンターと同様にサービスの質がディストリビューションセンターサービス企業によって左右されるところでしょう。多くの物流業務を任せることになるため「EC物流倉庫を選ぶときの5つのポイント」に沿って適切なサービスを選定する必要があります。
DC_メリットとデメリット.png

プロセスディストリビューションセンター(PDC)

プロセスディストリビューションセンター.jpg
プロセスディストリビューションセンター(Process Distribution Center)は、物流業務に加えて高度な流通加工機能を備えたEC物流倉庫です。

例えば

・部品や電化製品の組み立て
・精肉や鮮魚の二次加工
・ケーキなどのお菓子の加工

など、出庫前に高度な加工ができる設備を備えているところが特徴です。生鮮食品や電化製品などECで取り扱っている商品に合わせて、より安全でスピーディーな加工ができます。

一方で、EC物流倉庫内に工場に近い高度な設備を構えることになるため、コストがかかるところがデメリットです。生鮮食品や生菓子など取り扱い商品によっては、管理方法や出荷方法も含めて高度な管理が求められます。
PDC_メリットとデメリット.png

EC物流倉庫を活用する5つのメリット

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EC物流倉庫を活用するメリットとしては、次の5つが挙げられます。

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EC物流倉庫の導入を検討するときに知っておきたいポイントばかりなので、参考にしてみてください。

配送までのスピードが速くなる

1つ目は、消費者に商品を届けるまでのスピードが速くなるところです。ECの注文が少ないうちはいいですが、注文が増えてくると自社対応では追いつかなくなります。

例えば、ECの運営をしながら空き時間で配送作業をするとなると、確保できる時間に限界があります。その結果、発送までに時間がかかり消費者を待たせてしまうことになるのです。

EC物流倉庫を活用すれば入庫から出庫までが仕組み化されて、スピーディーな対応ができます。自社での導入が難しい物流システムや装置を取り入れているEC物流倉庫もあるので、毎回手作業で物流業務を行うよりも格段にスピードが向上します。

「EC物流倉庫の特徴」でも述べたように、EC物流はスピード感を求められます。即日発送や翌日配送などができる仕組みを持つことで、顧客満足度の向上や競合他社との差別化につながるでしょう。

品質を向上できる

2つ目は、EC物流の品質を向上できるところです。EC物流は出庫までの業務が多く、仕組み化やシステム化がされていない環境で作業を続けるとミスが発生しやすくなります。

商品の注文が殺到した際に、一人一人のスキルに頼りピッキング作業や梱包作業を行うと漏れやトラブルが発生しやすいです。だからといって忙しいEC物流現場で、検品を重ねたり複数のチェック工程を加えたりすると配送が遅れます。

EC物流倉庫はEC物流に特化したノウハウを持った従業員が在籍しているのはもちろんのこと、EC物流倉庫に必要なシステムを持っています。

例えば、倉庫管理システムが導入されていれば入庫数や在庫数、出庫数をシステム上で管理できるため一定の品質を維持できます。

また、プロセスディストリビューションセンターが備えているような高度な加工設備があると、食品や部分加工のクオリティを一定に保ちやすくなります。

このように、EC物流倉庫は自社内では導入が難しい設備や専門の人材育成ができているので、自社内で取り組むよりもEC物流の品質を高められます。

コア業務に専念できる

3つ目は、EC運営や商品開発などのコア業務に集中できることです。

ECの運営をしながら物流業務を行うと、商品の注文が多ければ多いほど物流作業に時間やコストを要します。EC物流業務を担う従業員を雇用している場合は、人材育成や採用活動にも尽力しなければなりません。

EC物流倉庫を活用すれば、物流倉庫業務を自社業務と切り離せるようになり物流業務に時間を割く必要がなくなります。

その分、EC運営や商品開発など更なる飛躍のために必要なコア業務に注力できます。その結果、効率よく事業拡大や売上向上を目指せるようになるでしょう。

物流業務に関する初期投資が不要となる

4つ目は、物流業務に関わる投資が不要となるところです。EC業務の中でも、物流は非常にコストがかかる部分です。とくに出荷数や商品数が多いECサイトでは

・在庫を管理できる場所の確保
・在庫管理システムやロボットなど物流業務を効率化するためのシステムの導入
・人材の確保

など、円滑な物流業務を行うためには投資が必要です。商品数や入出庫数によっては人件費やシステム導入コストが高額になるため、物流業務ができる環境を整えることが非常に大変です。

EC物流倉庫を活用すれば、すでに設備や人材が揃っているので物流業務に関する投資が不要です。もちろん、EC物流倉庫を稼働させるコストは発生しますが、物流業務を開始する初期費用を大幅に抑えることができます。

需要の変化に対応できる

5つ目は、商品の需要の変化に対応できるところです。広告やSNSの効果で急に商品の注文が集中した場合、自社での物流作業では対応しきれないことがあります。

急に注文が増えると人材不足になる一方で商品の注文が落ち着いたときに人件費が圧迫するリスクがあり、急に物流業務の人材を増やすわけにもいかないでしょう。

EC物流倉庫は安定した稼働ができるように人材を確保しているため、急な需要の変化にも柔軟な対応ができます。

・母の日やクリスマス、バレンタインデーなどのイベントシーズンに注文が増える
・季節商品を取り扱っており季節による変動が大きい
・広告宣伝により急に注文が増える場合がある

などで注文量が変化しても、安定した物流業務が行えます。

EC物流倉庫を活用するときの注意点

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EC物流倉庫を活用するメリットが把握できたところで、気になるのは導入時の注意点です。EC物流倉庫の活用で失敗しないためにも、あらかじめ注意したいポイントを把握しておきましょう。

リスク分散が難しい

EC物流倉庫は種類により多少の差はあっても、入庫から出庫までの物流業務が集約されています。そのため、突然のトラブルがあったときに物流業務全体に影響が出ます

例えば、災害により停電が起きた際はすべての物流業務が一拠点に集中しているため、他の方法を検討しにくいです。また、どこかの工程で機械トラブルやエラーが起きると、全行程に影響が出やすい側面もあります。

全行程を一元管理しているからこそリスク分散がしにくいことを念頭に置いて、災害やトラブル時の対応方法を事前に決めておくことが大切です。

過剰在庫や欠品に気づきにくい

EC物流倉庫を活用すると物流業務とEC運営が分離されるので、物流業務がブラックボックス化しやすくなります。そのときに、問題となるのが過剰在庫や欠品です。

EC物流倉庫との連携や定期的な在庫確認ができていないと、発注ミスや欠品が起こりやすくなります。過剰在庫を抱えると無駄なコストが発生しやすくなり、欠品が発生すると配送までに時間を要する可能性があります。

物流業務は任せられても、物流業務と関連性のある商品発注業務や注文管理業務は企業側での対応となります。あらかじめEC物流倉庫を連携できる仕組みを整え、スムーズな運営ができるよう配慮しなければなりません。

自社にノウハウが蓄積されない

EC物流倉庫を活用すると、自社に物流業務のノウハウが蓄積されません

自社のECが成長しても現在の仕組みを変えない場合はいいですが将来的にインハウス化(自社内で物流業務を行うこと)を検討している場合は、物流業務に精通している人材の確保や物流業務を学ぶところから始めなければなりません。

「EC物流倉庫の特徴」で解説したように、EC物流は他の物流業務とは異なる特徴があるので知識やノウハウが必要です。将来的なEC物流業務の運用方法も考えながら、どのような業務を委託するべきか検討するといいでしょう。

EC物流倉庫を選ぶときの5つのポイント

EC物流倉庫_作業.jpg
最後に、自社に合うEC物流倉庫を選ぶときの5つのポイントをご紹介します。

EC物流倉庫選択のポイント.jpg
EC物流倉庫は、委託先により業務範囲やコストが大きく異なります。着目するポイントを知っておかないと最適なEC物流倉庫を選択できないため、あらかじめ把握しておきましょう。

委託できる業務範囲を確認する

まずは、EC物流倉庫に委託したい業務を決めましょう。EC物流倉庫は基本的には入庫から出庫までの業務を担いますが、委託先とEC物流倉庫の種類によって業務範囲が異なります。

「EC物流倉庫の4つの種類」でも解説したように、EC物流倉庫には下記の4つの種類があります。
EC物流倉庫_種類.png

例えば、商品の入荷から配送までをまとめて委託したい場合は、フルフィルメントセンターが対象です。在庫を持たないトランスファーセンターを検討しても、理想的なEC物流倉庫に出会えません。

また、同じ種類のEC物流倉庫であっても、委託先により行える業務が異なります。よくあるのは、ラッピング対応や海外配送対応の有無、梱包方法などのオプションサービスの有無です。

ラッピング対応ができないEC物流倉庫の場合はラッピング業務の依頼はできませんし、海外対応ができない場合は国内のみの配送を前提とする必要があります。

フルフィルメントセンターならどのような対応でも引き受けてくれるわけではないため、委託先の業務範囲を見て比較検討してみてください。

費用を把握して検討する

EC物流倉庫は、主に下記のような業務で費用が発生します。(内訳は委託先によって異なります)
倉庫_費用.png

各料金はケースやパケット数ごとに料金設定されていることが多いため、EC物流倉庫で扱う商品量が多ければ多いほど費用が高くなります。毎日の出庫数や商品数、業務範囲を含めて、長期的な運用ができるかどうかを検討してみてください。

取り扱い商品に合う設備や知識を兼ね備えているか確認する

ECでは、食品や衣類、家電製品など多種多様な商品が扱われています。EC物流倉庫の設備や特徴により、適している商品は大きく異なります。

例えば、食品を扱うEC物流倉庫は衛生管理や安全性を重視していることが多いです。温度調整機能や流通加工機能が備わっていることもあり、食品を安全に保管、加工し出庫できるようになっています。

また、化粧品やコスメを取り扱うときは、化粧品製造業許可を持った従業員が必要となる場合があります。このように、ECサイトで取り扱う商品に合う設備や知識を有しているのかも事前に把握しておきましょう。

EC物流倉庫の立地を確認する

EC物流倉庫の機能やサービスが魅力的でも、立地が悪いと配送時のコストがかさむ可能性があります。ヤマト運輸の配送料を例に見てみると、関東圏から60サイズの商品を配送した場合に国内の地域により1個当たり400円以上の差が生まれます。

運賃.png
参考:ヤマト運輸「宅急便運賃一覧表:全国一覧

例えば、首都圏エリアに多くの顧客を抱えているECがあったとしましょう。

このECが九州地方にEC物流倉庫を構えてしまうと、配送先が非常に遠くなり配送料が高くなります。EC物流倉庫での作業がスムーズにできても、翌日配送や即日配送に対応しにくくなるでしょう。

・自社の顧客に届けやすい立地となっているか
・配送料や配送にかかる時間は適切か

など、EC物流倉庫の立地により余分な配送コストがかからないよう注意して選択してみてください。

連携できる体制が整っていると安心

EC物流倉庫業務を任せっぱなしにすると、トラブルがあったときに対応できません。EC物流倉庫と連携できる体制が整っているのかも、重要なポイントです。

例えば

・EC物流倉庫の管理者と常に連絡が取れる
・EC物流倉庫の運営会社に担当者がいて常にフォローが受けられる
・自社のシステムとEC物流倉庫のシステム連携ができEC物流倉庫の稼働状態を把握できる

など、EC物流倉庫の状態がいつでも確認できるようになっていると安心して利用できます。

シェアリング型の新しい倉庫寄託サービス「WareX」

WareX.png
WareX(ウェアエックス)は、シェアリング型の新しい倉庫寄託サービスです。バッファ倉庫や分散型倉庫など利用シーンに応じた倉庫の活用ができます。WareXならではの強みは、次の4つです。

①全国の倉庫から検索可能
WareXには、日本全国の倉庫が登録されています。物流拠点や営業所の近くなど、倉庫が必要な場所に応じて利用できます。

②コストが日割り計算で分かりやすい
保管料は日割り&パレット建て、作業料はパレット建てと分かりやすい料金設定です。保管料は日割りなので倉庫を使った日数分しかコストが発生しません。

③倉庫のオペレーションはオンラインで一元管理
オンライン上で倉庫の検索から清算までを完結できるため、管理者さまの手間や労力を最小限に抑えられます。

④手配するのは輸配送のみ
国の認可を得た安心安全な倉庫で商品をお預かりします。機器や作業員、備品の手配は不要です。輸配送のみの手配で利用できるので、幅広いニーズに対応できます。

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WareX_使い方.png

倉庫の確保や在庫の管理にお困りの場合は、ぜひ利用してみてください。
Banner_WareX.png

まとめ

いかがでしたか?EC物流倉庫とはどのようなサービスか把握でき、利用を検討できたかと思います。
最後にこの記事の内容をまとめてみると

〇EC物流倉庫とは通信販売やネットショップなどのEC市場に特化した物流倉庫

〇EC物流倉庫ならではの特徴は次の4つ
1)消費者のニーズが多岐に渡るためスピード感を求められる
2)ラッピング対応や同梱包など他社と差別化できるサービスが必要
3)一般家庭向けの商品が多いため1度の注文が少量多品種になる
4)返品や交換などのアフターフォロー対応が求められる

〇EC物流倉庫の主な業務は下記のとおり
EC物流倉庫_業務.png

〇EC物流倉庫の種類は次の4つ
1)フルフィルメントセンター:商品の入荷から配送までの物流業務全般を行うEC物流倉庫
2)トランスファーセンター:在庫を持たない通過型のEC物流倉庫
3)ディストリビューションセンター:入荷した商品を一度保管し必要に応じて出荷作業を行う在庫型のEC物流倉庫
4)プロセスディストリビューションセンター:物流業務に加えて高度な流通加工機能を備えたEC物流倉庫

〇EC物流倉庫を活用するメリットは次の5つ
1)EC物流倉庫に物流業務を集約できるため配送までのスピードが速くなる
2)物流システムが知識のある人材が揃っているので物流の品質を向上できる
3)物流業務を分離できるためコア業務に集中できる
4)倉庫や人材の確保、物流システムの導入など物流業務に関する投資が不要
5)商品の出荷量の変化に対応できる

〇EC物流倉庫を導入するときの注意点は次の3つ
1)物流業務が1箇所に集中してしまうのでリスク分散が難しい
2)過剰在庫や欠品を把握しにくい
3)将来的にインハウス化を検討している場合は自社にノウハウが蓄積されない

〇EC物流倉庫を選ぶときのポイントは次の5つ
1)委託する業務内容を明確にして自社の業務内容に対応している種類、委託先を選ぶ
2)EC物流倉庫で発生する費用を踏まえて検討する
3)自社のECでの取り扱い商品に合う知識や設備を有している
4)無駄な配送料がかからないようにEC物流倉庫の立地も確認する
5)EC物流倉庫の状態が把握できるよう連携体制が取れると安心

この記事をもとにEC物流倉庫を活用するメリットが把握でき、自社に最適なEC物流倉庫の導入を検討できることを願っています。


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